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「宝塚とジャニ」被害者を追い詰めるものの"正体" 意外な人が人知れず追い詰められている

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  • 木村 隆志 コラムニスト、人間関係コンサルタント、テレビ解説者
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さらに1つの方法として、「一時的に大半の人間関係や情報を遠ざける」という距離感を意識したアプローチも視野に入れておきたいところ。該当する人や物だけでなく、それらに少しでもつながりかねないものがあれば遠ざけてストレスレスの状態を作る。「マイナス面のみに狭まりがちな視野を広げてもらう」、あるいは「とりあえず最悪の事態を避けるため」などの意味で多少の効果が期待できるでしょう。

その際、被害者に伝えておきたいのは、いじめ、ハラスメント、誹謗中傷の加害者から「逃げる」のではなく、「『相手にしない』『ただ向き合わない』というだけ」というスタンスを伝えること。そう思うことができれば、「被害者の心が軽くなる一方、これまで相手を傷つけていた加害者の心が重くなっていく」という逆転現象につながっていきます。

人を傷つけると自己肯定感が下がる

いじめ、ハラスメント、誹謗中傷の問題は、どうしても被害者の目線から語られがちですが、程度の差こそあれ、実は加害者にとっても深刻な影響を及ぼしています。

いじめ、ハラスメント、誹謗中傷は、繰り返して誰かを傷つけるほど、心にネガティブな感情を蓄積させ、自己肯定感を自ら下げてしまう傾向がある行為。これらを繰り返すほど、徐々に相手を傷つけている感覚が薄れていきますが、それこそが危険な兆候です。

たとえば、「自分さえよければ相手がどうなってもいい」という利己的な言葉は「自分のことなんて誰も理解できないだろう」という孤独を感じさせ、「あなたはダメだ」という他者否定は「自分もダメなところがいっぱいある」という実感につながり、「お前なんて死ね」という暴言は「自分もいつ『死ね』と言われるかわからない」という怖さを感じさせるもの。これらの言動を他人に繰り返すほど、自らの心の中にネガティブな感情を募らせ、自己肯定感の低下を招くリスクが潜んでいます。

第三者から見て、立場や金銭的には成功を収めていたとしても、その人が本当に幸せかどうかは別問題。もし、いじめ、ハラスメント、誹謗中傷で他人を傷つけていたとしたら、間接的に自分を傷つけることにもつながり、第三者が思っているより幸せを実感していないというケースがあります。

事実、相談者さんの中に、「全員が敵に見えてしまう」「人間の醜さばかり目につく」「こんなしんどい世界に生きていくのはつらい」などと悩む経営者がいました。しかし、彼は長年、社員たちにハラスメントを行っていたほか、学生時代から“いじり”と称していじめのようなことを繰り返してきたことを「40代の今なお後悔している」と言っていたのです。

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