ソニーが見据える「車載センサーでも世界1位」 「画像センサーの王者」が挑む新たな成長領域

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シェアトップはアメリカのオンセミ(Onsemi)だ。ナスダック市場上場の大手半導体メーカーで、パワー半導体では世界2位。画像センサー技術ではコダックやマイクロンを源流とする。

2位のオムニビジョンもアメリカに本拠地を置く画像センサーの大手メーカーだ。2016年に中国資本に買収され、現在は中国の大手メーカー、ウィル半導体の傘下にある。

車載向けイメージセンサーの世界シェア

現時点でソニーのシェアが低い理由は明確だ。ソニーが車載向けの画像センサー市場に参入すると表明したのは2014年。先行するオンセミは2005年に車載専用の画像センサーを発表しており、自動車メーカーや部品メーカーとの付き合いにも一日の長がある。

スマホ向けが頭打ちの中での成長領域

「現在でこそ話を聞いてもらえるようになったが、当初は『ソニーは本当に車載をやる気があるのか』と問われたことすらあった」。ソニーセミコンダクタソリューションズの車載事業部担当部長である薊(あざみ)純一郎氏は、そう振り返る。

それでもソニーにとって車載の領域は今後も成長していくために重要な市場だ。というのも、ソニーが得意としているスマホ向けの画像センサー市場が頭打ちになってきているからだ。

近年はハイエンド機を中心にスマホ1台に複数のカメラが搭載されるようになった。そのため画像センサーの数量が増える余地はまだある。性能を引き上げるために、センサーを大型化させる「大判化」というトレンドも進んでいる。スマホ向け市場の成長が完全に止まったわけではない。

とはいえ、世界中に普及したことで、スマホ販売台数の増加ペースが落ち着いてきている。画像センサーの数量が爆発的に増えるフェーズは過ぎている。今後も画像センサーでトップの座を維持するためには車載でもトップレベルのシェアを確保することが欠かせない。

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