ソニーが見据える「車載センサーでも世界1位」 「画像センサーの王者」が挑む新たな成長領域

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ソニーが今後トップレベルのシェアへ登り詰めるためにカギとなるのが車載向けに専用設計するセンサーの性能と品質だ。

2023年9月、ソニーは新型の車載向け画像センサー「IMX735」を発表した。自動車用途では業界最多の1742万画素という高画質で、車載向けで求められる耐候性や高温・低温耐性などの基準もクリアした。

自動運転での採用を前提に設計

主に自動運転での採用を狙ったというこのセンサーの最大の特徴は、電気信号を読み出す方向を従来型のセンサーから90度回転させ、横方向での読み出しができるようにした点だ。

ソニーが開発した車載向け画像センサーの模式図

通常の画像センサーでは、受け取った光を電気信号に変換していく際に、上から順番に電気信号を読み出していく。読み出しにかかる時間はごくわずかだが、センサーの上下で読み出すタイミングに差がある。

一方、自動運転などで画像センサーと組み合わせて用いられるLiDARセンサーは、横方向に回転しながらレーザー光を照射して対象物の距離や形を測定する仕組みだ。横回転するため、画面に対して水平方向に順番にデータが出てくる。

従来のセンサーとLiDARを組み合わせるためには、上から順番に出てくる画像と水平方向に出力される物体との距離や対象物の形状のデータを、制御する自動車の側で変換する必要があった。

ソニーが新たに開発したセンサーでは、最初から画像データが水平方向に出力されるため、LiDARセンサーからのデータとの同期が容易になる。データ処理が高速になれば、自動運転開発で有利になる。

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