井浦新「年齢は数字でしかない」と断言する理由 「自分とは違う思考を持つ人との出会いは宝」

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井浦:でもおじさんって何歳からおじさんなんだろう? 僕なんか30代はもうおじさんだ、なんて思っていたけど。

深川:何歳の立場で見るかによって違うかもしれませんね。中学生から見たら確かに30代でもおじさん、おばさんかもしれません。でもおじさんでも、やっぱりササポンみたいなおじさんは素敵だなって思います。

── どんなところが素敵ですか?

深川:例えば自分が50代とかそのぐらいの歳になった時、もし20代の子とルームシェアしていてその子が悩んでいたら、助けたい気持ちと半ばおせっかいで、こういう時はこうしてみたらっていろいろ言いたくなっちゃうと思うんです。でもササポンはそうじゃないんですよね。

おじさん論って、他者への関わり方が重要なのかも

── そうですね、一歩引いて見てあげるような人ですね。

深川:一歩引いてパーソナルスペースをちゃんと保ちつつも、説教でもなく押し付ける感じでもなく、自分はこう思うよということをポンっと言ってくれる。その距離感を保つのはなかなか難しそうですし、その伝え方も含め人柄があってこそなんだろうなと思います。

井浦:そう考えるとおじさん論って、年齢よりも他者に対しての関わり方が重要なのかもしれないですね。その関わり方によって「うわ~、おじさんだわ」みたいな気持ちになる。

深川:確かに! そうかもしれないです。

井浦:いわゆる老害というか、何かを押し付けてきたり、こちらの言うことを全然聞いてくれない頑固さとか。年齢よりその人が年を重ねていくうちに形成されたものに出てくるのかも。僕なんかよりずっと年上でも、いつまでたっても本当に子供のようにキラキラと好きなことをやっている先輩方とかもたくさんいらっしゃる。おじさんだと感じてしまう瞬間は、年齢でどこからかというよりも、もっと内面的なものかもしれないです。

深川:本当にそうですね。おじさんとは? という定義も、そう言われてしっくりきます。

▲ 『人生に詰んだ元アイドルは、赤の他人のおっさんと住む選択をした』より(©︎2023映画『人生に詰んだ元アイドルは、赤の他人のおっさんと住む選択をした』製作委員会)

── 他者への関わり方みたいなところに、その人のおじさん的なところが見えてくるというわけですね。

井浦:オヤジギャグも素で言う人がいれば、場を和らげるためにわざと言う人もいたり。オヤジギャグだからといって、おじさん臭くない。オヤジギャグだとわかってあえて使う、そういう人はすごい柔軟さを持っているなと思ったりします。

深川:確かにそうやってさり気なく場を和ませてくださる方いますよね。柔軟性って、すごく大事かもしれない。

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