井浦新「年齢は数字でしかない」と断言する理由 「自分とは違う思考を持つ人との出会いは宝」

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井浦:人や時代そのものも含め、様々なことを柔軟にキャッチして、自分の栄養にすることができる。そんな感性が常に開いている人は、やっぱり男女問わず魅力的だと思うんです。ササポンはステテコ姿だったりするけれど、そういう魅力があるから若い女性と同じ空間の中でも、恋愛関係なく会話ができるような関係性を築けるのかもしれません。

年齢は数字でしかなくて、どう生きてきたかの方が大事

── 普通の人間関係は年代だったり嗜好性だったり、何か共通なものを媒介に築くことが多いと思います。でも今回の場合はまったく異なる、もしかしたら絶対出会わなかったかもしれないふたりです。井浦さんは人間関係を築く上で、あえて自分とはまったく異なる世界の人と交流したりすることはありますか?

井浦:自分では想像もできない世界や、意見、感性や言葉というものを持っている、そんなまったく違うものを持っている人との出会いは、自分にとって宝だと思っているんです。その思想や主義や生き方が違ったとしても、自分がそれまで興味がなかったり、知らない世界を教えてもらうきっかけにもなりますし、だからこそ人って面白いと思える。自分と違うからといって拒絶してしまったら、もう本当にそれまでですから。

── 同じ考えを持っている人とつるんでいるのは楽ではありますが……。

井浦:楽ですし、僕も正直若い頃はそういう感じだったと思います。「価値観が違う人たちとは会話できない」なんて思っていたから、結局相手がどんな人かもわからないまま離れてしまったり。でも逆に考えれば、自分と似たような感覚を持っている人は、別に今じゃなくてもそれこそ5年後でも10年後でも同じように会話ができるものなんです。だからこそ、自分とは違う思考を持つ人との出会いはやっぱり大切な宝。そういう人と向き合うことで自分の世界も広がるんだと思います。

(写真:アライテツヤ)

── そういう柔軟な考えになったのは歳とともに変化してきたのでしょうか?

井浦:歳というより、失敗を含めたこれまでの経験からです。考え方が違うからと相手を傷つけてしまったり、逆に今まで苦手だと思っていた人との出会いによって、僕が生かされたり素敵な体験をさせてもらったり。そういう経験から、自分自身がいかに相手に対して閉じていたかということを気づかせてもらったんです。

── 歳ではなくどんな経験をしてきたかということですね。

井浦:年齢は本当に数字でしかなくて、どう生きてきたかの方が大事。60歳になっても駄目な人は駄目ですし(笑)。失敗したり幸せな気持ちになったり、あらゆる経験がそういうことを感じたり気づかせてくれたんだと思います。

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