衆議院議員・河野太郎--虚構の核燃料サイクルで日本の原子力政策は破綻

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衆議院議員・河野太郎--虚構の核燃料サイクルで日本の原子力政策は破綻

東京電力福島第一原子力発電所の事故はいまだ収束が見えない。情報は混乱し、収束のメドは立たず、菅直人・民主党政権は国内外からの厳しい批判にさらされている。

自由民主党政権が推進してきた日本の原子力政策に対し、党内から疑問を呈し、臆せず批判を続けてきた河野太郎衆議院議員に話を聞いた。

──日本の原子力政策の何が問題だったのか。

私は「反原発の河野さん」と言われる。日本における原子力の議論では、「原発推進派」と「反原発派」に色分けされている。それではいけないと私は言ってきたつもり。私の主張は「反原発」ではなくて、「反核燃料サイクル」。日本の核燃料サイクルの議論は破綻している。

まず、仮に高速増殖炉ができたとして、高濃度の放射性廃棄物をどう処理するのかという問題がある。

原子炉自体が40年で廃炉になり、ウランの可採年数が70~80年しかないのに、300年もモニタリングするのか、10万年後の人類に「そこを掘るな」って何語で書くんだと、昔はこんな議論もまじめにしていた。

放射性廃棄物の処理は未解決の大問題

高濃度放射性廃棄物を日本で処理できないということ。これは国民を上げて議論するべき最重要問題だ。それなのに、経済産業省はこっそりモンゴルへ捨ててくるという話を進めていた。経産省と、この計画が始まった後の経産大臣は、国民に対する背信行為を問われる。経産省にはこの問題を扱う権利がない。

処分問題をまじめに議論すべきだと指摘してきたが、歴代の経産省(旧通商産業省)の担当課長は「2038年からやります」といってきた。「その頃あんたはいるのか」「いや退官していると思います」という話だった。処分方法が決まっていないのだから、核のゴミの量を減らすことを考えるべきで、14基増やせ、ということ自体が間違っている。

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