希望は以下の3つの要素が交わることで生まれる。
(2)忍耐力――大きな困難に打ち勝とうとする力
(3)信念――そうした困難の先により優れたものが必ずあると信じる心
リーダーであれ組織であれ国家であれ、暗黒の日々を切り抜けさせてくれるのは希望なのだ。組織の改変期に必要なのは、約束を破られても希望をくじかれはしないと、従業員が自信を持つことである。
「希望など寓話だ、"あやふや"だ」と思われるかもしれないが、決してそんなことはない。
組織において希望が果たす役割を調査した2人の研究者、スザンヌ・ピーターソン氏とクリステン・バイロン氏によると、より大きな希望を持っている人はそうでない人と比べて、ゴール志向が強く、目標達成のためのモチベーションが高いという。
大幅なコスト削減のプレッシャーや業務上の障害、困難な顧客対応に直面したとき、希望を持っているリーダーはそうでないリーダーに比べてよりよい解決策を出す傾向にある。このことから示唆されるのは、仕事で困難に直面したとき、希望を持つことが従業員の助けになりうるということだ。
機械に仕事を奪われる
その好例となるのがメロニー氏の体験談だ。メロニー氏は大手メーカーの物流部門で倉庫管理を務めるシニア・スペシャリストである。
昨今の製造業では、製品を市場へ運搬する方法について、自動化やテクノロジーによって混乱が生じている。かつては安定していた多くの職が危機にさらされているのだ。
そこでメロニー氏は、最先端の物流テクノロジーに関する資格を取って、機械に仕事が奪われるなかでも自分が貴重な人材でいられるようにした。
同社はアメリカ国内で製造・組み立てされた製品を、外国産の競合製品よりも低価格かつ高品質で配送することに誇りを持っている。実際、その誇りはほとんど常に保たれてきた。
しかし、継続的なコストの高騰や激化する貿易摩擦の影響で、効率性を高める方法を常に考えなければならなかった。
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