苦境のレゴを復活させた「経営者の直観」その中身 「すばやい対応」だけでは現状打破には不十分
創造的なアイデアを盛り込んだが、売り上げは下落
玩具メーカーのレゴ・グループは、機を見てすばやく切り替え、復活した。1990年代後半から2000年代初頭にかけて、レゴは苦境におちいった。世界中の子どもたちに愛されているカラフルなプラスチック製ブロックの売り上げが、年々減少していたのである。
コンサルタントたちは、デンマークの郊外にあるビルン――レゴ・グループの本社がある町――に押しかけ、「革新的な新しいラインの玩具を開発する必要があります」と助言した。
レゴ・グループはその後、数年かけて創造的なアイデアを製品に盛り込んだものの、売り上げは落ち込み、負債が膨れあがるばかりだった。たしかに、こうした新シリーズの玩具は斬新で楽しいものではあったが、レゴのコアなファンである「ものづくりが好きな子どもたち」の心をつかめなかったのだ。
2004年、新たなCEO(最高経営責任者)にヨアン・ヴィー・クヌッドストープが就任した。彼は、会社が主力製品をないがしろにしている現状を看破した。大切なのは、いまも変わらずプラスチック製ブロックなのだ。必要なのは、ブロックに対するイノベーションだったのである。
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