中国人に人気「日本の化粧品」に起きている変化 処理水問題での懸念、独身の日はどうなる?

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2つ目は、「日本在住の中国人」を味方につけることだ。

日本の商品に興味を持つ中国人は、「日本で、日本の消費者が本当に使っているのか」「日本で本当に信頼されているブランドなのか」を確かめたくなるものである。

そうした疑問に対してリアルな声を伝えられるのは、日本在住の中国人たちだ。彼ら・彼女らに、日本の商品やブランドのよさを伝えてもらうことが、中国現地での日本のスキンケア製品の購入につながる可能性がある。

以上、スキンケア市場における処理水の影響を見てきたが、中国市場において日本ブランドの意義が消え去ったわけではない。だからといって、油断は禁物だ。

爆買いの効果には期待できない

先に述べたように、中国メーカーも台頭し、「メイド・イン・ジャパンだから、いい商品」といったキャッチフレーズは、中国市場においてはもはや通用しにくくなっている。

日本在住の中国人に協力してもらうマーケティング戦略や、日本に旅行した際に手にとってもらえるようなECや店舗での施策、そして中国現地では放射線量など安全基準を満たしていることの証明を提供する、といった地道な活動を続ける必要があるだろう。

「爆買い」や「バズり」といった一時的な成果ではなく、根気強く、戦略的に自社ブランドの価値(成分、機能、効果)を伝え続けられるかどうかが、今後の中国市場における大きなポイントではないだろうか。

森下 智史 「中国トレンドExpress」編集長

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もりした さとし / Satoshi Morishita

高校卒業後、約10カ月間日本で中国語を学ぶ。1998年2月~上海で学部および大学院(中国古代史)で学ぶ。2005年に卒業後、上海で在留邦人向け情報誌の編集・ライターとして勤務。2012年に日系市場調査会社上海現地法人でマーケティングリサーチ(産業調査)業務に携わる。2015年5月、17年間の中国生活に区切りをつけ、帰国。東京で日中間のビジネスコンサルティング業務を経て2018年1月にトレンドExpress(現・NOVARCA)入社。現在はマーケティング事業部プランニング部に所属し、クライアントのプロモーション施策立案、中国情報の提供およびNOVRACA自社分析レポートの企画作成などの業務に携わっている。

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