楽天の今期は過払い金問題で巨額特損も、3期ぶりの赤字転落は回避か

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 新たに始めた楽天カードは、楽天市場でのポイント付与や還元優遇策などで順調に拡大していたものの、その収益が過払い金返還に消える状況となっていた。ただ、時間の経過とともに、徐々に収束、カード事業の成長でカバーできるメドが立ったと思った矢先に、武富士が破綻。
 
 「いったんは減り始めていた過払い金返還が再び増加傾向に転じ、事業を保有しながら問題解消することが難しくなってきたため、再編を決めた」(高山健取締役)。

当期純利益への670億円のマイナスを考慮すると、11年12月期は赤字に転落する可能性がある。ただ、繰延税金資産の取り崩しや繰り入れ、貸し倒れ引当金の計上など、政策的な要素が強い項目の金額が多いうえ、一部資産の売却等も検討している模様。最終損益はゼロ近辺に収まる可能性がある。
 
 また、巨額損失を計上したことで税負担が減少、来12年12月期は実効税率が大幅に低下する見込みだ。

(丸山 尚文 =東洋経済オンライン)


《東洋経済・最新業績予想》
(百万円)    売 上  営業利益 経常利益  当期利益
連本2010.12  346,144 63,766 62,301 34,956
連本2011.12予 390,000 73,000 71,500 0
連本2012.12予 450,000 85,000 83,000 60,000
連中2010.06  164,108 28,247 27,539 17,154
連中2011.06予 180,000 31,500 31,000 -44,000
-----------------------------------------------------------
         1株益¥ 1株配¥
連本2010.12  2666 200 
連本2011.12予 0.0 200 
連本2012.12予 4571 200-300 
連中2010.06  1310 0 
連中2011.06予 -3352 0 
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