「値段以上」は本当!ニトリのベッドの底力 無印、ニトリ、イケアをプロが本気で検証
ニトリに問い合わせたところ「品質は落とさず、お求めやすい価格になるよう、シーリー社のマットレスとは仕様を変更している。詳しいスペックは非公開」と回答があり、イマイチはっきりとしない。
そこで両社のカタログで読み解いていく。コイルはどちらもシーリー社米国特許コイル(ポスチャーテックコイル)を使っている。仕様の違いが明白なのは、本家シーリーはニオイの原因となる黄色ブドウ球菌などのバクテリアの増殖を抑え、抗菌・防臭効果のある「ポリジン加工」を施していること(本家シーリーでは標準スペック)。さらにマットレス表裏の詰め物の組み合わせ、マットレス表面生地の素材が異なることがわかる。ニトリ「6930シリーズ」は防臭加工をせず、詰め物をリーズナブルに抑えることで、手頃な価格にしているようだ。
この辺りが実際の寝心地にどう影響しているのか。やはり売り場で、先述のNスリープの「プレミアムP3」と横になって比べてみた。
コイルだけで寝心地を比較することはできないが、詰め物も合わせた全体的な寝心地を比べてみると、やはり詰め物の差か、「適度に包み込まれる」ことを重視する筆者としては、寝心地のよさはプレミアムP3に軍配が上がった。いくらコイルは有名メーカーのものを使用しているとはいえ、よい睡眠作りにはブランドより寝心地を重視すべきだと、筆者は思う。
ベストな価格とマットレスの寿命
ただし、いいマットレスに出合えたと思っても、それで安心してはいけない。日頃のメンテナンスが悪いとマットレス寿命は縮まることは、知っておいたほうがいいだろう。
一般的に、マットレスの価格はシングルサイズで3万~15万円だが、寿命は「1万円=1年」と言う寝具の専門家もいる。高価なマットレスを買えばそれなりに長くもつというのは真実だが、それも日々の使い方次第で大きく変わる。逆にいえば、リーズナブルなマットレスを買っても、長もちさせられるということだ。
その際、ポイントとなるのがコイル部の上にある「詰め物」。1日7~8時間、数十キロもの体重を支えるマットレスは、コイルより上にある詰め物部分のヘタリが早くくる。マットレスを長もちさせるには、特定の箇所のヘタリを防ぐためのローテーションが有効だ。
ローテーションとは、マットレスの前後の入れ替え、表裏の入れ替えを指す(表裏が同じ詰め物の場合に有効)。寝汗は1晩で約200cc出ていることはよく知られている。マットレスの上に敷くベッドパットはもちろん、メーカーは2~3カ月に1度のローテーションと、マットレス内の湿気を逃がすため、室内での通風を勧めている。
これからの梅雨時期は特に湿気に気をつけて、快適なマットレス環境を保つこと。そうすれば、きっと「値段以上の」快適な睡眠が手に入るはずだ。
(※商品の価格はすべて税抜き)
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