突然死の原因「朝の血圧急上昇」を防ぐ水の飲み方 注目の「血圧降下ペプチド」が含まれる食材は?

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●「起き抜けの1杯の水」 が血管を守る

心筋梗塞(心臓の血管が詰まる病気)や脳梗塞(脳の血管が詰まる病気)は、朝の起床後からの数時間に最も多いことが知られています。

高血圧や糖尿病、脂質異常症(血中の脂肪量が異常に多い状態)など、血管の病気が起こるリスクを抱えている人が、朝の薬を飲み忘れてはいけない理由がここにあります。

では、なぜ朝方にこうした重篤な病気が多発するのでしょうか。

朝は、休息と活動の切り替えの時間帯です。体の仕組みは一気に「休息モード」から「活動モード」に切り替わります。そのときに問題が生じるのです。

活動開始にともない、脈拍や血圧が上がります。心臓や脳といった重要な臓器を働かせるために、多くのエネルギーと酸素を必要とするからです。ところが不都合なことに、朝は血液が流れにくく、固まりやすい状態になっています。

夜、寝ている間に汗をかいて水分が失われているため、血液が粘っこくなっています。

心臓や脳といった各臓器で酸素やエネルギーの需要が増えるのに、供給はしにくい。たとえるならば、各地から「酸素と栄養を早く届けて!」という注文が殺到しているのに、道路が渋滞している、という状態です。

さらに悪いことが重なります。朝には、固まった血を溶かす働きをしている「t-PA」(血管内皮細胞から産生される)という物質の働きが落ちていて、血液がいったん固まると溶けにくい時間帯となっているのです。

血圧がボンと上がり、血中にできた血液の塊を押し流し、心臓の血管に詰まると心筋梗塞、脳の血管で起こると脳梗塞になります。

朝を健やかに迎え、1日を元気に過ごすためにぜひ実行していただきたいのが朝起きてすぐ、コップ1杯の水を飲むことです。健康法として水を飲むことが一般的になっていますが、大事なのは「いつ飲むか」です。

血液の粘度が上がり、固まりやすく、詰まりやすくなっているのが朝です。朝の起き抜けの水は、健康増進のために大切なコツの1つです。

男と女で違う血圧が上がる理由

高血圧の治療には、もちろん食事に気をつけることは必須ですが、メンタルを安定させ、喜怒哀楽などの心の動きを少なくするための工夫も重要です。

喜びの感情は血圧を下げ、悲しみ、不安、怒りは血圧を上げます。

あくまで一般的にですが、怒りにともなう血圧上昇は女性よりも男性で大きく、不安にともなう血圧上昇は男性よりも女性で明瞭です。職場でのストレスによる血圧上昇は、男性の場合は顕著にみられますが、女性にはさほど現われません。

では、女性の血圧を大きく上げる要因は何でしょうか。女性は育児のストレスや家庭内の不和、家事のやり繰りにおける苦労などであることがわかっています。

このように、どのような種類のストレスや感情が血圧上昇に大きな影響を及ぼすかには男女差があります。悲しいことを思い浮かべたとき、悲しみに反応する大脳辺縁系がどのように反応するかを調べたところ、女性は男性の約8倍の広さの領域で応答していました。女性の脳は仕事のストレスには強くても、悲しみには敏感なのです。

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