「冷えたビール、涼しい部屋」が血圧に危ないワケ ミスター血圧に聞く「夏にやってはいけない事」

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夏は血圧対策を怠りがち。「ミスター血圧」こと渡辺尚彦先生が、夏だからこそ気をつけるポイントをご紹介します(写真:jessie/PIXTA)
暑い夏、血圧は下がりやすくなると言われています。暑くなると、体は体温を下げるために体内の熱を発散しようとします。すると血管が広がって、血圧が下がるからです。実際に、お風呂上がりに血圧を測る習慣がある人が、健康診断の時に血圧が高いと感じることが多いのもそういう理由です。反対に寒い冬は、血圧が上がりやすくなる傾向にあります。
とかく夏は血圧対策を怠りがち。暑い夏ならではの意外な落とし穴がある、と指摘するのは、自身も36年間24時間測り続ける「ミスター血圧」こと渡辺尚彦先生。渡辺先生の近著『ズボラでもみるみる下がる 測るだけ血圧手帳』から一部抜粋・再編集して、夏だからこそ気をつけるポイントをお伝えします。

ビールの一気飲みは心臓にアブナイ?

ビールが美味しい季節です。たくさん汗をかいたあとに冷えたビールをごくごく飲むのは格別ですね。でも、ちょっと待ってください。高血圧専門医の立場から申し上げると、暑いときに冷たいビールを一気に飲むのはとても危険なことなのです。

冷たいビールは喉ごしも最高です。シュワシュワな炭酸が喉を通るときの、なんともいえない爽やかさ、清涼感。それがキンキンに冷えていたら、いうことなし。でも、そのキンキンに冷えたビールが喉だけではなく、心臓も冷やしていることをご存じですか。

喉の先には、食道があります。食道は長さ約25センチ、太さ2~3センチの管状の器官で、厚さは4ミリほどしかありません。心臓の位置は、その食道のすぐ前面、胃の手前のあたりです。だから、冷えたビールが喉から胃まで流れ込むと、食道のすぐそばにある心臓も一緒に冷やされてしまうのです。

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