●「ラクトトリペプチド」は朝とるとさらに効く
食品由来の血圧を下げる成分、「血圧降下ペプチド」が注目されています。ペプチドはアミノ酸が2個~数十個つながったものです。発酵・熟成または酵素処理の過程でタンパク質が分解されてつくられます。
血圧は血圧調節ホルモンの「アンジオテンシン変換酵素」(以下、ACE)の働きで維持されています。血圧を正常に維持するには、そのACEの働きを適度に阻害しておくことが必要です。
食品由来の「血圧降下ペプチド」は、ACEの働きを適度に阻害することで血圧を下げますので、ACE阻害ペプチドとも呼ばれます。ACE阻害ペプチドには、乳製品由来のラクトトリペプチド、イワシ由来のイワシ(サーデン)ペプチド、ゴマ由来のゴマペプチド、大豆由来の大豆ペプチドがあります。
ラクトトリペプチドには2種類の乳製品由来トリペプチドがあります(VPP、IPP)。高血圧の人にこの2種類のラクトトリペプチドを含む発酵乳やペプチドを4週間以上投与すると、上の血圧が3㎜Hg、下の血圧が1.5㎜Hg程度低くなります。
注目の成分ラクトトリペプチド
横浜市立大学の栃久保修教授らは、その効果を24時間血圧で観察し、ラクトトリペプチドは「夜の眠っているときの血圧も下げること」。そして、「減塩食の生活治療での降圧効果を大きくすること」を確認しています。
ラクトトリペプチドは、欧米人よりも日本人の高血圧に有効で、特定保健用食品に指定されています。有効な理由はよくわかっていません。
ACE(アンジオテンシン)は朝に多く分泌されるホルモンですから、ラクトトリペプチドを含む食品は朝食時にとることがおすすめです。
●イワシ(サーデン)ペプチドは3週間で効果!
EPAやDHAは青魚に多く含まれる「オメガ3脂肪酸」で、血管を開いて血流をよくするうえに、血液をサラサラにする効果もあります。動脈硬化の進行を予防する食品成分です。
青魚のイワシにはその他、血圧を下げる作用があります。イワシ由来のイワシ(サーデン)ペプチドも、ラクトトリペプチドと同様のACE阻害ペプチドです。
九州大学名誉教授の川崎晃一博士らは、高血圧の人にイワシペプチドを含む飲料を3週間飲んでもらいました。その結果、血圧ホルモンの「アンジオテンシンⅡ」が減り、上の血圧と下の血圧をそれぞれ10㎜Hgと5㎜Hgも低くすることができました。
イワシペプチドも特定保健用食品に指定されています。副作用はまったくありませんでした。アンジオテンシンは朝に多く分泌されるホルモンですから、イワシペプチドも時間栄養学の視点からは朝食時にとることをおすすめします。
●「朝ごはんにゴマ」でコレステロールと血圧を下げる!
ゴマに含まれる「セサミン」を朝食のご飯と一緒にとると、コレステロールが下がることが知られています。
このコレステロールへの効果とは別に、ゴマ(セサミン)ペプチドはACE阻害ペプチドですので、血圧が高めになった人の血圧を下げてくれます。セサミンペプチド含有の飲料水が特定保健用食品に指定されています。
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