好調ファミマが変えた広告代理店の「使い方」 ここ数年で販促手法に大きな変化が起きていた

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年末年始のキャンペーンには、コンビニで初めて人気アイドルグループTWICEを起用する(編集部撮影)

コンビニ大手、ファミリーマートの業績が好調だ。

10月中旬に発表された2023年度上期(3月~8月)決算は、本業の儲けを示す事業利益(日本基準の営業利益に相当)が517億円と、前年同期比約33%増の大幅な増益となった。

好業績を牽引するのが店舗の集客力向上だ。既存店の客数は19カ月連続で前年比プラス。業界最大手のセブン-イレブン・ジャパンと比較しても、客数の伸び率は2021年4月以降、つねにファミリーマートが上回っている。

客数増の背景には、外出規制緩和や新商品投入の効果などさまざまな要素がある。その中でそれらの下支え役として見逃せないのが、販売促進策だ。実は、同社はここ数年で販促手法を大きく変えてきた。今回は、普段見落とされがちな販促策の変化にスポットを当ててみたい。

任天堂と実現した強力コラボ

「食いしんぼうの人気者がファミリーマートに初登場!」

9月から10月中旬まで、全国のファミリーマートで展開された「星のカービィ コラボキャンペーン」。任天堂の人気ゲームのキャラクターとコラボし、限定商品の展開や限定グッズが当たるスタンプ企画などを実施した。

任天堂とのコラボは、7月に実施した「ピクミン」に続く2回目。現在も別の企画を調整中だという。

人気キャラクターとのコラボはコンビニでよく見られる企画だが、実はファミリーマートでは、数年前までこうした大型のコラボ企画は少なかった。

要因の1つが、広告代理店にすべてを任せていたためだった。これまで同社では、コラボ企画の獲得をある代理店からの紹介に依存しており、版元との直接的なつながりはほぼなかった。しかもその代理店は、他のコンビニ大手も得意先としていた。そのため、独自企画が難しかったり、費用をより積まなければ企画が実現しなかったりした。

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