イスラエルとハマスの衝突後に株価はどう動くか 過去の大規模衝突の場面の株価推移を振り返る

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現在、防衛大学校の名誉教授をされている立山良司氏が公益財団法人 日本国際問題研究所で公開した論文「激化したイスラエル・パレスチナ対立」(同研究所のウェブサイトで閲覧可能)では、4回の衝突が整理されています。そこで同論文を参考に、下表では、それぞれの衝突期間と、その後の市場の動きを見てみました。

これまでの4回の衝突で、最も日経平均株価が大きく下落したのは1回目です。衝突期間で5.8%株価が下落しました。また、停戦後も下落を続けています。

しかし、これは衝突によるものというよりも、当時、世界的な経済を大きく揺らしたリーマンショックの影響が大きかったと見られます。リーマンショックは、2008年9月にアメリカの有力投資銀行であるリーマン・ブラザーズが破綻し、それを契機として広がった世界的な株価下落、金融危機と同時不況です。1回目はあまり参考にならないデータかもしれません。

戦闘期間の株価が底堅かった背景

そこで2回目から4回目の傾向を中心に見てみましょう。「開始から終了まで」は4回目では下落しましたが、-1.0%程度と大幅な下げというほどではありません。そして他の2回(2回目と3回目)は株価が上昇しました。こうした結果から基本的には「戦闘期間では株価は底堅かった」と言えます。その背景ですが原油価格が大きく上がることがなく安定していたことがあると見られます。

また、終了後「終了から10日後まで」は2回目から4回目の3回とも上昇しています。

こうして見ると、イスラエルとハマスとの間の軍事衝突が株価にとってポジティブとは、理由がないため考えにくいですが、特に注目される点は「株安要因にはなりがたい」と言うことです。

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