イスラエルとハマスの衝突後に株価はどう動くか 過去の大規模衝突の場面の株価推移を振り返る
ところで、今回の衝突は過去4回と比べても規模が大きいものです。各種の報道によれば10月17日現在でイスラエル政府によると、これまでに少なくとも1300人の死亡が確認されたとのことです。一方のパレスチナ側では、保健当局がこれまでに約3000人が死亡したと発表しています。
立山氏の論文の引用からですが、過去4回の衝突で最大のものが2014年におきた第3回で、パレスチナ側が2130人、イスラエル側が71人の死者とのことでした。今回はすでに、これを上回っています。
そうなってくると、今後の戦禍の拡大、そして中東諸国を巻き込んだ国家間の戦争にもなりかねないという懸念から、過去4回の中東戦争が連想されます。そこで参考に中東戦争とその後の日経平均株価を見てみました。
第3次と第4次の中東戦争では株価が大きく下落
第1次の中東戦争の場面は、日本は第2次世界大戦の終戦からの復興時期で、東京証券取引所が再開(1949年)する前におこりました。そこで、第2次中東戦争以降を見てみましょう。
その結果、第2次は上昇、一方、第3次と第4次は日経平均株価が下落しています。第2次中東戦争は日本経済が「神武景気」と呼ばれる過去最大の好景気の時期と重なりました。国民が三種の神器(冷蔵庫・洗濯機・白黒テレビ)の購入ブームとなり、設備投資や消費といった国内需要の高い伸びに支えられた時期で株価が上昇したため、株価は第2次中東戦争の影響が小さかったと見られます。
一方で、第3次と第4次の中東戦争では株価が大きく下げました。この背後には原油供給への不安が高まったことが背後にあります。特に第4次中東戦争を契機として起こったのが第1次オイルショックです。
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