「定年後の星」コラムニストが明かす起業5ヵ条 早く成仏し「ギブファースト」で人脈構築を

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(イラスト:奈良裕己)

続いて転職。例えば今の会社が60歳定年で、70歳定年の会社に転職できれば生涯もらえる収入は増加するでしょう。しかしシニアの転職市場は甘くありません。ずば抜けた能力や才能を持った優秀な人材であれば採用されるでしょうが、ほんの一握りです。

そこで私が最もお勧めするのが、起業です。まず起業は楽しい。「やらされる仕事」ではなく「やりたい仕事」ができるからです。道楽を仕事にできるわけですから最高じゃないですか。

やりたい仕事は楽しい

そんなことを言うと、必ず「仕事はそんなに甘いものではない」という反論に遭います。それは、やらされる仕事しかやったことがないからです。例えばゲームが趣味であれば、高得点を取るために必死になるでしょう。そうした人がゲームを仕事にしたとき、まったく苦でないどころか、楽しくて仕方がないはずです。

こうして起業を選んだ私ですが、初めから順風満帆だったわけではありません。というのもサラリーマン時代と違って名刺、つまり会社の看板がなく、何者なのかわかってもらえないからです。そこで思いついたのが、「本」を出版し名刺代わりにすることでした。

ところが本を出すといっても簡単ではありません。そこで私は出版部数の半分を著者が買い取る「企画出版」の形で出しました。買い取り額は75万円。高いと思われるかもしれませんが、たった75万円で、私のやっていることが誰にでもわかるとあれば、「めちゃくちゃ安い」と思ったのです。そうした思いは的中。この本が信用に加えて広告にもなり、事業を拡大させるきっかけとなりました。

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