定年後の年収「60代後半の中央値180万円」の実態 定年前に下がり、定年後にもう一段低下する

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高齢でも高収入を得ている人は少数派(写真:Fast&Slow/PIXTA)
定年後も働き続ける傾向が高まっている。しかし、定年後の働き方については漠然としたイメージはあるものの、本当のところはよく知られていないのが実情だ。そこで定年後の年収はどの程度になるのか、データと併せてみていきたい(※本稿は『ほんとうの定年後 「小さな仕事が日本社会を救う」』より一部抜粋・再編集してお届けしています)。

安定した老後を送るためにはなんといっても経済的な裏付けが欠かせない。果たして現代の定年後の就業者はどのくらいの収入を得ているのか。また、将来において、定年後に高所得を得ることは可能になるのか。収入の額の分布から現実を見ていこう。

意外と知らない「定年後の年収」

まず、定年後の年収はいくらなのだろうか。

国税庁「民間給与実態統計調査」によれば、2019年の給与所得者の平均年収は436.4万円となっている。この調査には、国内で働くすべての給与所得者が含まれており、フルタイムで正社員として働く人はもちろんパート労働者なども含まれた数値となっている。

給与所得者の平均年収は、20〜24歳の263.9万円から年齢を重ねるごとに右肩上がりで上昇し、ピークを迎えるのが55〜59歳の518.4万円となる。そして、多くの人が定年を迎える60 歳以降、給与は大きく減少する。平均年間給与所得は、60〜64歳には410.7万円、65〜69 歳では323.8万円、70歳以降は282.3万円まで下がる。

図表1‒1では、現在の年齢区分で比較可能である最も古い年次である2007年における平均年収も記している。定年後の就業者について、2007年当時の給与水準と比較すると、はっきりと上昇している年齢区分は存在しない。高齢者人口の増加や労働参加の促進によって高年齢者の就業者数は増えていることから、厳密にいえば高い収入を稼ぐ人の絶対数も徐々に増えているとは考えられるが、まだまだ定年後の就業者の平均的な収入水準は低いといえそうである。

この調査が集計しているのは、民間給与所得者でかつ一年間を通して就業している人の給与額の平均値である。現役世代の収入については給与所得者のデータで概ねその全体像がわかるが、高齢就業者は自営業者であることも多く、サラリーマンとして給与を得る人はそこまで多くない。

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