女の子は「算数」が苦手?男女の知られざる意外な差 「理系=男子」子に先入観を持たせない親の関わり方

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男の子は「図形・図表」なかでも「立体図形」に関する問題で女の子よりも正答率が高かったです。男の子が立体図形に強いのは、積み木やレゴブロックなど、小さい頃から立体を扱うおもちゃで遊び慣れていることが理由の一つとして考えられます。ただ、その差はせいぜい7%程度です。

一方で女の子は、「細かい計算」の一部、例えば、桁が大きな数の引き算、小数や分数の細かい計算、素因数分解などの問題で男の子の正答率を上回っています。

問題を速く解こうとする傾向があり細かい計算ではミスを起こしやすい男の子に比べ、じっくり丁寧に考える傾向が強い女の子のほうが細かい計算は得意、ということが点数差に表れるのでしょう。ただし、こちらもその差は数%の違いです。

このことを証明するかのように、2022年、東京大学の最難関科類といわれる理科3類の合格者数ランキングで、女子校である桜蔭高校がトップに立ったことが話題になりました。2023年は灘高が再びトップになりましたが、桜蔭高校は2位となっています。理科3類に合格するには、非常に難易度の高い理系数学の試験で高得点を取らねばなりません。

この結果からも「女の子だから数学が苦手」ではないということがおわかりいただけるでしょう。

算数の得意・不得意を性別に結び付けない意識が大切

では、能力的な差がないのに、なぜ理系に進学するのは男の子の割合が多かったり、「男の子は理系・女の子は文系」のイメージが根強く残っていたりするのでしょうか?

年齢が上がるにつれて理系志望の女子が減っていくのは、能力差ではなく外的な要因が大きいと言われています。

外的な要因とは、例えば子どもに関わる親や先生、祖父母などからの先入観による影響です。身近に関わる人が無意識に「理系なんて男の子みたい」と思っていると、知らず知らずのうちに出てくる言葉を子どもがキャッチして「理系は男の子」というイメージを強化させます。

2017年度に行われた「女子生徒等の理工系進路選択支援に向けた生徒等の意識に関する調査研究」調査報告書(内閣府委託調査)によると、女性の保護者の最終学歴が理系か文系かによって、女性保護者が理系の場合は、約20%も多くの女子学生が理系を選択しているという結果が示されました。

また、中学校、高校で理系科目を学んだ際に、すべて男性教員が教えた場合と、女性教員がいた場合では、女性教員に教わった経験がある女子学生のほうが約11%多く理系を選択している結果も示されました。

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