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数に強い人は楽勝「東大入試」の数字トリック問題 勉強以前の「数字の定義」に立ち返る習慣を問う

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鉛は、携帯電話やPCに使われています。それらの電化製品は、新しいものを買い替える時に下取りしてもらって回収されて、また新しい携帯やPCを作るのに使われています。

こういったことを「リサイクル」と呼びますが、鉛は何度もリサイクルされているので、1度鉱石から生産された鉛が2回以上消費されるという事態が起きるわけです。

日本という国は、資源に乏しい国だと言われます。ですが、このように今まで作られた電化製品や携帯電話に含まれていた鉛の量を考えると、世界有数の資源国に匹敵するくらいの量を持っていることになるのだそうです。こういう「鉱山ではなく、都市で発生した廃製品から金属資源を回収し、再びこれらの製品に利用すること」を「都市鉱山」と呼びます。

ということで、この問題は「鉱石から生産された量の他に、一度消費された後に回収されて、もう一度別の形で消費されるリサイクルが行われているから」というのが解答例の1つになります。

普段から「数字の定義」に意識を向けているかどうか

東大の入試問題では、このような数字のトリックに騙されないかどうかを問う問題がかなり多く出題されています。今回のように、切り取り方や定義の仕方を変えれば、数字上ではあり得ないことが起こってしまったり、伝え方を工夫することで印象を変えることだってできます。

そのときに重要なのは、しっかりと定義を考えることです。今回は「消費量」という数字や「稼働率」という数字の定義をご紹介しましたが、これら数字の解釈の違いによって、データは大きく印象を変えたと思います。

よく言われる議論ではありますが、「食料自給率」も、定義によって印象が変わります。食料自給率には、カロリーベースの自給率と生産額ベースの自給率があります。

カロリーベースのほうは、食品に含まれるカロリーを計算し、どれくらいのカロリーを外国からの輸入品に頼っているのかを調べるものです。生産額ベースのほうは、その食品の金額で考えて、国内の食品生産額と海外商品の輸入額とを比較するものです。

このように、数字の測り方・解釈・何をベースにした統計なのかによって、データの見方を変えることができるのです。

東大がこの問題を出題した意図は、普段から数字・データに対して意識を向けて、「この数字はどうしてこうなっているんだろう? 測り方は? 解釈はどうだろう?」と考えていく習慣がある人なのかどうかを確認することだったのだと思います。ぜひ参考にしてみてください。

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