AppleWatch、丸1カ月使って分かったこと 脱iPhoneの瞬間を作る最強のアクセサリ

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ただし、あまり多くの役割を期待しない方が良い。Apple Watchの役割は、ポケットやカバンからiPhoneを取り出さずに、iPhoneでこなしていたいくつかの動作を腕だけで済ませることだ。

それはiPhoneのアプリに届く通知の確認と、天気や株価などの小さなサイズの情報の確認、メールやメッセージなどのちょっとしたコミュニケーション程度と考えておけば良いだろう。

ただ、通知の確認を腕だけで済ませることの意味は非常に大きい。

例えばFacebookやInstagramの「いいね」、LINEなどのメッセージの受信、ニュースの通知などをApple Watchで受けるようになると、通知が届いたことが知れれば、iPhoneを取り出してアプリを立ち上げてまで見ようとはしなくなった。

iPhoneのアプリで開くと、届いた通知以外の情報を一通りチェックし、必要であれば返事を書き、すぐにリアクションがあれば断続的なコミュニケーションのやりとりに入る。1秒で確認できる通知をきっかけに、10分の時間がつぶれていたのが今までだった。

今まで中断されていた、目の前の人とのコミュニケーションや、集中していた仕事、あるいは読書、考え事などを、そのまま続けることができるようになる。予想していた行動の変化は、もはや当たり前の行動となったのだ。

時計としての役割は「40点」

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Apple WatchがiPhoneから奪う1つの役割で忘れてはならないのが、時間の確認。これは普通の腕時計の機能として当たり前であるが、iPhoneを取り出して画面を点灯させなくても時間が分かるようになった。

ただ、通常の腕時計として比較すると、残念な面がいくつかある。

体勢によっては、腕を返してApple Watchを自分に向けても、一度でディスプレイが点灯しないことがある。また、腕を返したり、画面をタップしなければ時計が表示されず、手がふさがっているときには時間が分からない。

そしてさらに残念なのが目覚まし時計。Apple Watchに内蔵されているTapTic Engineの振動で、静かに、しかし確実に目覚められれば、と思っていたが、筆者の使用だと2日に1回は充電しなければならず、目覚ましとしては使えない。

バッテリーの持続時間については、今後のハードウェアの進化によって解決するしかなく、現在のモデルで目覚ましとして使うのは諦めた方が良いだろう。

時計の機能で筆者がイチオシなのは、タイマーだ。しかも、ハンズフリーで時間を計測できるのだ。

Apple Watchでは音声アシスタントのSiriを利用できる。Apple Watchを自分の方に向けても地盤を表示し「Hey Siri」と話しかければ待ち受け状態になる。

例えば料理をしているときに10分のゆで時間をセットしたい場合、腕を自分に返して「Hey Siri 10分間のタイマーをセット」と話しかければ、すぐにカウントダウンを始めてくれるのだ。時計に触れずにタイマーがセットできる点は、料理に限らず、重宝している。

ネットを使うアプリはストレスを感じるほど遅い

Apple Watchにはアプリを追加することができる。LINEやYahooニュース、Instagram、Uber、航空会社系などのアプリがリリースされている。「iPhoneアプリがApple Watchアプリを含む」という形で配信され、iPhoneのApple Watch設定アプリからインストールすることができる。

Apple Watchそのものではインターネットの通信を行わないため、ネットから最新の情報を取得する場合、iPhone経由となる。そのため、あらゆるアプリの情報読み込みは、3G時代に戻った頃のように遅い。

正直なところ、ネットの情報を表示するアプリはApple Watchには合わない。これはまた、Apple Watchの文字盤を下から上にスワイプすると表示できる「グランス」でも同じことだ。

そのかわり、通知は瞬時に届き、ニュースでもヘッドラインで概要を知る程度の文字数は確保できている。通知は、アプリ単位で受信するかどうかを設定できる。またアプリによっては、何を通知するかをカスタマイズできる。

Apple Watchを快適な情報端末として利用するには、「通知を最適化すること」が重要といえる。Apple Watchアプリ自体がまだ始まったばかりであるため、今後より快適なアプリが登場してくることにも期待したい。

Apple Watchの機能でもう1つ気に入っているのがアクティビティ機能だ。

これまでも、スポーツや日々の活動を計測するバンドなどを使用してきたが、Apple Watchの歩数やエクササイズの計測機能は精度が高く、また正確な心拍計がついている割にはコンパクトである点も気に入っている。

アクティビティは3重の輪で表現され、外側から、歩行などのムーブ、早歩き以上のエクササイズ、1時間のうち1分以上立っているかどうかを判定するスタンドを毎日記録してくれる。

自分のその日の活動に応じて、ウォーキングやジョギングを追加するようになってきた。健康的に過ごすための基礎情報が常に手元で見られる点もありがたい。

またウォーキング、ジョギング、サイクリングなどのワークアウトの記録も便利だ。Apple Watchには音楽を読み込むことができ、Bluetoothヘッドフォンを使って、iPhoneを持たずに音楽を聴きながら走ることができる点も、軽快でありがたい。

スマートフォンは様々なものを集約し、またアプリによって進化しながら、人々の行動やコミュニケーションを変化させた。しかし全てがスマホで片付くというのは行き過ぎな面もある。

Apple Watchは、こうしたスマホ一辺倒の生活を、1秒ずつではあるが、少しずつほどいてくれる、そんな役割を果たしてくれるのではないだろうか。

必ずしもそれが未来かと言われればそうではないし、充電の面倒を見なければならないデバイスが1つ増えることもシンプルからの逆行と評価することもできるだろう。

ただし、重要なのは、時間や通知の確認、そして日本では利用できないがApple Payの決済など、iPhoneで利用してきた機能のうち、「Apple Watchの方が得意で快適なもの」がいくつも存在している。これらは特に強く習慣を変える力が備わっていることは、見逃すことができない。

松村 太郎 ジャーナリスト

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まつむら たろう / Taro Matsumura

1980年生まれ。慶應義塾大学政策・メディア研究科卒。慶應義塾大学SFC研究所上席所員(訪問)、キャスタリア株式会社取締役研究責任者、ビジネス・ブレークスルー大学講師。著書に『LinkedInスタートブック』(日経BP)、『スマートフォン新時代』(NTT出版)、監訳に『「ソーシャルラーニング」入門』(日経BP)など。

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