ミシュランが誇る低燃費性能高級タイヤの実力 脱炭素と循環型経済への対応も求められる

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「ミシュラン史上最高の低燃費性能を誇るプレミアムタイヤ」をうたうeプライマシーの実力はいかに(写真:ミシュラン)

16代目に進化した「クラウン」。昨年9月に発売された「クラウン(クロスオーバー)」に続き、10月6日にクラウンシリーズの第2弾となる「クラウン(スポーツ)」が発売された。

筆者は今年4月、一足お先にクラウン(スポーツ)のプロトタイプに試乗した。この時はクラウンには不釣り合いなサーキット(富士スピードウェイ・ショートコース)のうえに土砂降りという悪条件だったが、SUVながらもスポーツセダンに近いと言っても過言ではない走りに驚かされた。

走行後に装着タイヤ(235/45R21)を見てさらにビックリ、銘柄は「ミシュランeプライマシー」とある。カタログには「ミシュラン史上最高の低燃費性能を誇るプレミアムタイヤ」と記されている。ただ、実際に乗った印象は「これってスポーツタイヤ?」と錯覚するくらい運動性能の高さが印象的だった。

そうした記憶がある中、ミシュランがeプライマシーを軸にした「サステナブル試乗会」を栃木県にあるGKNドライブラインジャパンのプルービンググラウンドで開催。筆者は上記の疑問を解決するために参加してきた。

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タイヤに求められる脱炭素と循環型経済

現在、自動車業界は大変革期といわれているが、当然タイヤにも当てはまる。カーボンニュートラルとともにサーキュラーエコノミー(循環型経済)が求められているが、タイヤは難易度が高めだ。

タイヤは主原料である天然ゴムに加えて、合成ゴム、金属、繊維、強化剤(カーボンブラック、シリカ)、可塑剤(樹脂)、加硫用の硫黄など、200種類以上の素材で製造される。これらを天然素材もしくはリサイクル素材に替える必要があるからだ。

ミシュランでは現在、原材料に占めるサステナブル(持続可能)な原料(天然素材とリサイクル)の比率は30%だが、2030年には40%、2050年には100%を目標に開発を進めている。実は2023年のル・マン24時間耐久レースで使用されたレーシングタイヤでは53%、電動二輪車を使用したワンメイクカップ(Moto E)用のレーシングタイヤではフロント33%、リア40%を実現している。

モータースポーツは先行開発の場でもあるが、サステナブル化においても同じ事がいえる。レースで培われた技術は公道走行用タイヤにも着実にフィードバックされている。2025年をメドに開発を進めているプロトタイプタイヤ(公道走行承認済み)は、天然ゴムの割合アップ、再生カーボンブラック、ヒマワリ油やバイオ由来樹脂、籾殻性シリカ、再生スチールなどを使用することで、現行タイヤと同じ性能を保持しながら、持続可能な原材料比率は乗用車用が45%、トラック・バス用は58%を実現している。

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