ミシュランが誇る低燃費性能高級タイヤの実力 脱炭素と循環型経済への対応も求められる

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前置きが長くなったが、今回の主役となるeプライマシーだ。主にBEVやHEVといった電動車向けに開発されたタイヤのコンセプトは、ズバリ「サステナブル素材の使用比率だけでないサステナブルタイヤ」である。

その特徴は大きく3つ、タイヤ業界のグレーディングシステム(等級制度)で転がり性能AAA(一部AA)を達成した「低燃費性能」、電動車用としてより高いレベルが求められる「静粛性」、そして耐摩耗性と摩耗が進行しても劣化が少ない「性能維持力」が挙げられる。要するに燃料消費が抑えられ、快適性や安心・安全が続き、履き替え頻度が減る、ある意味「理想のタイヤ」だ。

まずはトヨタが新開発した「デュアルブーストハイブリッド」搭載のクラウン(クロスオーバーRS)で高速周回路を走行。装着されているタイヤは一般販売される補修用タイヤではなく新車装着用(OE用)eプライマシーだ。

eプライマシーを装着したクラウン(クロスオーバーRS)で高速周回路を走行。ハンドリングはミシュランのスポーツタイヤを少しだけ穏やかにしたイメージ(写真:ミシュラン)

当然、クラウンにベストマッチするようにチューニングが施されているが、補修用のeプライマシーが備える基本的なパフォーマンスは同じだそうだ。ちなみに先日試乗したクラウン(スポーツ)と同じ銘柄だが、サイズはそちらより1サイズ細い225/45R21となる。

低燃費タイヤとは思えない安心感

今回はドライ路面での試乗となったが、クラウン(スポーツ)の時と印象は同じ。ハンドリングはミシュランのスポーツタイヤを少しだけ穏やかにしたイメージである。

具体的には指一本くらいの微小舵角でもスッとクルマが反応する応答性の高さ、素早いレーンチェンジを繰り返しても狙った通りの反応、限界に至るまでグリップに過度な変化がない事など、とにかく意のままなのに自然な印象。グリップは張り付くような感じはないが路面を確実に捉えており、低燃費タイヤとは思えないほど安心感が高い。

乗り心地は大径かつ横幅が細い偏平タイヤながら、路面からの入力の優しさやスッとショックを収める吸収性の高さなど、コンフォートタイヤの名にふさわしい性能だ。静粛性も高く、特に高速域ではむしろロードノイズよりも風切り音が気になるほどのレベルだった。

肝心の転がり性能はテストコースなので試しに時速100kmからニュートラルにして惰性で走らせてみると、何と高速周回路(全長1800m)を1周走れてしまった。特に速度が落ちてからも、どこまでも転がっていきそうな抵抗の少なさに驚いた。

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