欧米諸国「ハマスを見誤っていた」という大後悔 ガザ地区の安定を保つのが優先と油断していた

ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

1990年代のオスロ合意後に設立されたパレスチナ自治政府はヨルダン川西岸地区を支配しており、イスラエルは自治政府と協力してヨルダン川西岸地区のハマスの弱体化を図りながら、自治政府を強化しようとしてきた。

しかし、イスラエルの指導者たちにとって、ハマスも有用な存在だった。イスラエルがガザへの本格的な攻撃を控えてきたのは、ガザを支配しているハマスと話をすることで、安定を保つことができたからだとヘイマンは言う。「この構想は失敗した」。

以前の政権でベンヤミン・ネタニヤフ首相の国家安全保障顧問を務めたヤーコフ・アミドラー元少将も同意する。

「テロ組織がそのDNAを変えられると信じたのは、私の犯した大きな過ちだ」と同氏は話す。「ハマスには責任があり、テロ組織であるだけでなく、ムスリム同胞団の小さな支部であり、未来についての考えを持つ組織でもあるため、より責任があると思っていた。だが、やはりテロ組織はテロ組織だった」。

「イスラム国の残虐行為よりひどい」

現在、エルサレム戦略研究所の上級研究員であるアミドラーは、単刀直入にこういった。「同じ過ちを繰り返したくはない」。ハマスは「殺害され、破壊されるべきだ」と同氏は言う。

ヘイマンはまた、イスラエルの強力かつ長期的な対応を予見している。「今の状況は、イスラエルが見たこともないような、残忍で不屈のテロ活動の後であり、人々を虐殺し、女性を拷問し、子どもや老人を誘拐するイスラム国(ISIS)の残虐行為よりもひどい。これはわれわれが想像もしなかった狂気の沙汰だ」。

イスラエル軍は7日の朝からガザへの報復攻撃を開始した。ガザ当局によれば、すでに680人以上のパレスチナ人がイスラエルの攻撃で死亡したという。

元イスラエル政府高官で政治学者のシュロモ・アビネリは、「イスラエルはハマスのレトリックの戦略的意味を理解していなかった」と語る。同氏によると、ガザ近郊のキブツ(イスラエルの集産主義的協同組合)のように、イスラエルがいかに脆弱であるかを考慮することなく、レトリックとして片付けられた」。

関連記事
トピックボードAD
ライフの人気記事