欧米諸国「ハマスを見誤っていた」という大後悔 ガザ地区の安定を保つのが優先と油断していた
イスラエルの国家安全保障研究所の所長であるタミール・ヘイマン元少将は、「われわれは構想が間違っていたことを認めなければならない」と語る。
西側諸国、特にガザに多大な援助をしてきたヨーロッパの人々の間でも、同じような幻滅が広がっている。週末の惨劇は、ハマスに新たな光を当て、今後の出来事に大きな影響を与えそうだ。
若者はガザをどう見ていたのか
欧州連合(EU)はアメリカと同様、ハマスにテロ組織としてのレッテルを貼り、公式にはボイコットしているが、多くのヨーロッパ人はハマスを、パレスチナの国家としての存続を徐々に不可能にしているイスラエルと闘う自由の戦士として見ている。
ブルッキングス研究所中東政策センターのナタン・サックス所長は、「欧米の多くの人々、特に若者や左派の人々にとって、ガザは悲惨な状況で生活する封鎖された飛び地に対するイスラエルの残虐性を一言で言い表したものだ」と語る。
彼らにとってハマスとは、「基本的にガザという文脈における民族主義的な抵抗運動」だった。その考えは、「10月7日、すべてではないにせよ、一部の人々にとっては」打ち砕かれた。
ヨーロッパでは、一様に公的に攻撃を避難し、イスラエルへの支持を示している。だが、9日にはブリュッセルで混乱が生じた。EUのオリバー・ヴァルヘイという高官が、パレスチナ人に対する6億9100万ユーロ(約7億3000万ドル)の援助を見直すと発表したのだが、この発表はすぐに軟化し、人道的援助は継続されることになった。
イスラエルでは、軍部はハマスに対してほとんど幻想を抱いていなかった。ハマスがパレスチナの武装グループの中で最も極端であるとみなし、パレスチナ自治政府の中心であるファタハとは異なり、いかなる形のイスラエル承認も決して受け入れないだろうと認識していたからだ、とヘイマンは取材で語った。