「娘を救ってほしい」ホスト問題の相談急増のワケ ニセ住所の婚姻届を渡され、大金つぎこむ
「娘をホストから救ってほしい」。立ち上がったばかりの団体に、親からの相談が殺到している。宛名や日付の記載すらない紙切れ一枚で百数十万円もの支払いを求められるなど、一般の商習慣とかけ離れている実態も明らかになってきた。
7月20日に設立されたのは、「青少年を守る父母の連絡協議会」(略称:青母連/せいぼれん)。東京・歌舞伎町に事務所を構える公益社団法人「日本駆け込み寺」内にできた。同法人の前代表で理事の玄秀盛さん(67)が担当している。
玄さんはこれまで21年にわたり、DVや家出などのあらゆる悩みに寄り添ってきた実績を持つ。「抜本的な対策のためには条例制定しかない」と話す玄さんにインタビューした。(ジャーナリスト・富岡悠希)
ホストに対する「売掛」の支払いを抱える女性たち
――青母連を立ち上げた経緯は?
民法改正で2022年4月から18歳で成人となり、大人として契約できるようになった。同時にコロナ禍の最中から、(歌舞伎町の)事務所のすぐ目の前で売春する若い女性が増えた。いわゆる「立ちんぼ」や。この女性たちは多くがホストに対する「売掛」の支払いを抱えている。
ホストクラブでは、ホストが飲食代を肩代わりして、女性に後払いさせる「売り掛け」制度を使っている。地方から都内の大学生になった18歳の女の子が、多額の売掛を背負わされる。以前は18、19歳だったら未成年で取り消せたのに、それができなくなった。
親から、こうしたホスト問題の相談が増えてきたので、青母連を設立したんや。