「娘を救ってほしい」ホスト問題の相談急増のワケ ニセ住所の婚姻届を渡され、大金つぎこむ

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ホストクラブがひしめく歌舞伎町(弁護士ドットコム撮影)

最近「ほとんどのホストが悪質」と考えるようになった

――ホストは、なぜここまでするのでしょうか?

メディアがホストをこぞって取り上げているわな。ホストのビジネストークあり、ホストを主人公にしたドラマあり、で。だから、ホストを募集すると、新人がすぐに来る。「金を稼げて女にモテる」と考えるから。

けど、新人は先輩ホストのヘルプ役にすぎない。1日で1万円を稼いだとしても、そこから衣装代や寮費を取られる。残るのは数千円だから、すぐに店や友人から借金する。なかには整形代を出してもらって入店している奴もいる。

金を稼がないといけないから、女の子をハメる手口を先輩から教えてもらう。マニュアルになっているようなもんだよ。前は「一部の悪質なホストが問題」だと言ってきたけど、最近は「ほとんどのホストが悪質」と考えるようになった。

――その変遷の背景には何があると考えますか?

歌舞伎町の老舗ホストクラブの創業は、1970年代初頭。80〜90年代は、30歳以下の女性はホストクラブには出入りしなかった。スナック経営者や医者の妻、芸能人など、金を持っている特定の女性だけだった。ホストの平均年齢も40代だったろう。

ところが、2000年代に入って、ホストをやっていた30〜40代の若い経営者が出てくる。徐々にホストのスターも誕生し、ホストも若くなる。20代のホストは、キャバ嬢とか風俗の女性を連れてくるようになる。

そして、2008年にiPhoneが売られるようになると、若いホストたちがSNSを駆使して台頭してくる。最近はマッチングアプリとかも使いながら、金の支払い能力のない18〜23歳の女の子を店に連れ込んでる。

――解決策はありますか?

売掛は、本来は客の信頼があって成り立つもの。だからこそ、スナック、料亭、銀座のクラブなどに限られてきた。それができないキャバクラはカード払いだし、デリバリーヘルスなどの風俗は現金払いが基本や。

そんな中、ホストクラブだけが売掛を使い始めた。一晩で50万円や100万円の支払いになるなんて、普通の女性が支払える金額じゃない。25歳以下の「青少年」に対しては、「売掛禁止条例」を作るしかない。もう東京都に対しては働きかけている。

2000年に東京都がいわゆる「ぼったくり防止条例」を、2013年には新宿区が「客引き禁止条例」を制定した。前例はある。

ホストビジネスは歌舞伎町から全国に広まってしまってる。だとしたら、今度は歌舞伎町からホスト問題の対策を立ち上げたい。これが俺がやるべき、最後の仕事だと覚悟を決めている。

玄秀盛さん(弁護士ドットコム撮影)

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