「娘を救ってほしい」ホスト問題の相談急増のワケ ニセ住所の婚姻届を渡され、大金つぎこむ

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――どれぐらいの相談件数が来ていますか?

今年入って、7月の立ち上げ前までで30〜40件ほど。設立から2カ月ちょっとでは、さらに50件を超えている。9月下旬に共同通信に取り上げてもらった。地方にいる親から地方のホストクラブに関する相談も増えた。最近受けたのは、広島・岡山・福岡やな。

もちろん一番多いのは、ここ歌舞伎町や。この街には今、300軒のホストクラブがあるとされている。1軒で20人のホストがいたとして、6千人。同じ繁華街の池袋でも、数軒しかない。圧倒的や。その歌舞伎町のど真ん中で、俺は6千人のホストを相手にしてるわけやな。

――どんな相談が寄せられるのでしょうか?

「娘がホストにハマり、900万円の借金があると言われています」「ホストに貢ぐために、風俗で働くという娘を止めたい」「弁護士がいきなり、『お嬢さんがつくったホストクラブへの借金600万円を払ってほしい』と乗り込んできた」

こんな感じで、ようは金の問題や。親御さんには「娘さんがホスト通いを止めたいと言っていれば、対処法はある」と伝える。大事なのは、金を渡さないこと。ホスト側が売掛の際、女の子に渡すのは、紙切れ一枚。彼女のフルネームすら書いてないし、何らの宛名や日付すらないのもある。それで数十万~百数十万円を払えと言うんや。

その売掛を作る手口の一つは、女の子がホスト10人ぐらいに囲まれた「女王様」状態で、シャンパンタワーをやるというもの。それで1回、百数十万円。酩酊状態の場合すらある。

ホストが女の子を惚れさせている

――先ほど、対処法の前提で「ホスト通いを止めたいと言っていれば」と条件をつけていました。

女の子が店に行きたい、ホストに会いたい場合は、こうはいかない。貢ぐのは女の子がホストに惚れてるから。いや、ホストが女の子を惚れさせてる。

狙いを定めた子が店に2、3回来たとする。すると、ホストが「俺は1年後に店を出すから、そのときに結婚しよう」と持ちかける。一緒に婚姻届も書くけど、ホストは住所をあえて間違える。けど、女の子は信じているから、きちんと書くうえにマイナンバーとか身分証の写真も撮られてしまう。

その1年の間、女の子はホストをナンバーワンにしたいから、お金を使う。それでも「何かお前は違ったわ」と、結局は捨てて終わり。

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