オーストラリアは日本の潜水艦を買うのか 外交問題というより日本国内に横たわる課題

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日本が有利な立場を占めている最大の理由は、フランス、ドイツが現在建造している通常動力型攻撃潜水艦が、オーストラリアの要求性能に比べて小さいことにある。

これに対してフランスはオーストラリアの要求を充たせる新設計の潜水艦と、現在、建造している潜水艦の拡大型の二段構えを見せている。また、ドイツは現在建造している潜水艦の拡大型をオーストラリアに提案する意向を示している。ところが、オーストラリア側は、コリンズ級において、大型潜水艦の設計・建造実績の無いスウェーデンに設計を任せた事がトラウマとなっている。そのため、大型の通常動力型攻撃潜水艦の建造実績の豊富な、日本を共同開発・建造のパートナーとすることが、最もリスクの少ない方法であると考えている。

もうひとつの大きな理由と言えるのが、コリンズ級後継艦に米国製の戦闘システムの搭載が決まっていることだ。潜水艦の「頭脳」であり、その戦闘力を左右する戦闘システムは極めて機密性が高く、米国は重要な同盟国であるオーストラリアに戦闘システムを提供することに依存はない。

米国海軍の高官は日本を支持

とはいえ、設計や建造の段階で、戦闘システムの機密にはなるべく手を触れられたくないという気持ちが強い。筆者は2月にUAEのアブダビで開催された、海軍関係の兵器展示会「NAVDEX 2015」の会場で、フランスとドイツの潜水艦メーカーの担当者は米国製戦闘システムの搭載に問題はないのかと質問してみた。すると、彼らの回答は「ノー・プロブレム」だった。ただ、潜水艦の戦闘システムを手がける米国の企業の担当者に同じ質問をしてみたところ、フランスに関しては戦闘システムの機密情報が盗まれる可能性があるため、「できれば避けたい」とも本音を漏らしていた。

海上自衛隊の潜水艦の戦闘システムは、日本製であって米国製ではない。しかし、海上自衛隊は米国海軍と密接な関係にあり、戦闘システムに大きな互換性が持たされている。そのため、日本のそうりゅう型をベースとしたほうが、ドイツやフランスの潜水艦の戦闘システムに比べてシステムの統合の面でも、また機密保持の面でも米国にとっては望ましい。

3月にオーストラリアのアデレードで開催された、コリンズ級潜水艦のあり方を協議する「フューチャー・サブマリン・サミット」に出席した米国海軍の高官からは、「そうりゅう型をベースにすべき」との意見が出されている。

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