秀吉が後継者に切腹命令?「豊臣秀次の死」のナゾ なぜ秀次は亡くなったのか?秀吉との関係は?

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秀吉は、秀次の自害をもって彼を「無実」とはしなかった。謀反として事件を処理したのである。

これは、秀吉の望むところではなかったかもしれない。前述したように、秀吉は秀次の自害を望んでいなかったからだ。

あえて秀次謀反を喧伝した?

それでも、秀次は自害してしまった。この想定外の出来事に対応するため、秀吉は秀次妻子の惨殺という強硬手段に出たのだろう。「秀次謀反」を喧伝することによって、秀吉は諸大名の引き締め、統制をはかろうとしているようにも思える。秀吉は秀次事件を最大限利用したとも言えるだろう。


(主要参考文献一覧)
・桑田忠親『桑田忠親著作集 第5巻 豊臣秀吉』(秋田書店、1979)
・藤田達生『秀吉神話をくつがえす』(講談社現代新書、2007)
・服部英雄『河原ノ者・非人・秀吉』(山川出版社、2012)
・渡邊大門『秀吉の出自と出世伝説』(洋泉社、2013)
・矢部健太郎『関白秀次の切腹』(KADOKAWA、2016)

濱田 浩一郎 歴史学者、作家、評論家

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はまだ こういちろう / Koichiro Hamada

1983年大阪生まれ、兵庫県相生市出身。2006年皇學館大学文学部卒業、2011年皇學館大学大学院文学研究科博士後期課程単位取得満期退学。専門は日本中世史。兵庫県立大学内播磨学研究所研究員、姫路日ノ本短期大学講師、姫路獨協大学講師を歴任。『播磨赤松一族』(KADOKAWA)、『あの名将たちの狂気の謎』(KADOKAWA)、『北条義時』(星海社)、『家康クライシスー天下人の危機回避術ー』(ワニブックス)など著書多数
X: https://twitter.com/hamadakoichiro
 

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