断言します。不可能です。
なぜかというと、「笑い」というものは基本的に雪だるまが転がるように大きくなっていく特性があるからです。
つまり、関係開始の自己紹介時点で取れる笑いの大きさは、「クスッ」とさせることが限界であるということです。
「ツカミ」「マクラ」が爆笑への第一歩
このクスッとさせる手法を漫才では「ツカミ」、落語では「まくら」と言います。
ネタの内容に入る前に、「自分が何者かを伝え」「お客様が笑いやすい空気を作っておくこと」を目的としています。ビジネスで言うとアイスブレイクに近いものがあります。
まずは、一つ問題を出します。
「小学生の好きな食べ物はなんですか?」
この問題に対して、小学生が好きな食べ物の「ど真ん中」を考えてみてください。
ど真ん中というのは一般の人々が持っている「共通認識」とお考えください。
例えば、ど真ん中で言えば「ハンバーグ」「カレー」「唐揚げ」などの回答がイメージできると思います。
次に、ど真ん中を理解したうえで、少しズラして笑いを作ります。
例えば、「ホッケ」「チャンジャ」「板わさ」などの回答がイメージできると思います。この「少しズラす」という部分に笑いのセンスや経験が物をいい、笑いの量に影響を及ぼします。
ただ一方で、「養命酒」などの回答がいきなり出た場合、ズラしすぎていて笑いが生まれず、むしろ「何を言っているか分からない」という状態に陥ります。
つまり、笑いを生むためには、ど真ん中を理解したうえで、「少しズラした程度のこと」を意図的に入れる必要があるということです。
これが、「クスッ」と笑えるということです。
自己紹介で爆笑を取ろうとする行為というのは、誰かもわからない人が出てきて、共通認識がないままズレたことを言っているだけとなるわけです。
完全に公開処刑です。絶対にやめましょう。これは、挑戦というきれいな言葉ではなく、ただの無謀です。
ただ、どうしても「自己紹介で『クスッ』までは確実に取りたい。取ったほうが、後のプレゼンなどに効いてくる」という方もいると思います。
そういう場合は、「笑いを取りにいってるわけじゃないですが、まあ笑うならお好きにどうぞ」 というふうを装って発言してください。頑張って「面白いことを言っている」という間を取ったり顔をしたりするのではなく、自己紹介の中にさりげなく「まあ、〇〇ですけどね……」と少し添えるイメージで笑いを取りにいくことをお勧めします。
そうすることで自然な空気を保つことができます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら