ダメな経営者は「自社が何業なのか」わかってない 自社志向、自社の商品志向に陥っている状態
トヨタは、トヨタ独自の生産方式「かんばん方式」という仕組みを開発し、GMのマーケットである多品種少量生産の市場に、高い生産性で生産された「高品質、低燃費で良質な車を提供する」という事業で世界へと展開することになります。
ヨーロッパでは、メルセデス・ベンツやボルボに代表される自動車メーカーは「世界最高の安全性の車を提供する」と定義して、確固たる地位を築きます。
しかし、今まさに「ガソリン車から電気自動車へ」と、大きな環境の変化が起きようとしており、自動車メーカー各社は、新たな事業分野の定義を行い、存続成長を図ることが求められています。
同じ事業定義が永遠に続くことはありえないのです。時代の変化も、顧客層も、立地も、すべて経営環境の一部です。
これからの未来においても利益を生み出すためには次のことが重要です。
①事業分野を定義すること
②さらに、過去から現在、そして現在から未来への経営環境の変化を読むこと
このことをよく覚えておいてください。
事業分野定義の例
印刷会社 I社
会社に複合機など、きれいに大量に印刷する機器が導入され、大口の企業が社内で印刷をするようになり、企業からの印刷受注が減少。印刷業という事業では生き残っていけないと判断し、当社が今まで印刷をしていたものにどういうものがあるかを調べたときに、DMなどの販促広告物が多いことに気がついた。
企業が広告を打つ目的は、新規顧客の獲得であることから、マーケティングの知識がある人材を採用し、同時に広告文書の作り方、コピーライティングを学び、コピーライティング事業に乗り出す。
中小企業を対象に、商品やサービスを販売する際のコピーライティングを受注、同時に、従来の印刷に加え、Web制作事業にも進出。
「印刷業」 → 「コピーライティング、Web制作、印刷の3事業による販売支援業」
このように事業分野の定義で成長した会社、衰退した会社の事例は数多くあります。