ダメな経営者は「自社が何業なのか」わかってない 自社志向、自社の商品志向に陥っている状態

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大事なものは、顧客です。顧客が売り上げと利益の源泉です。顧客が求めていることを考え、それを提供できる存在になるよう努力する。

環境とは、経済情勢や為替の変動などを指すだけではありません。最も重要な環境こそ、市場であり、顧客です。「顧客志向をベースとする環境適応」こそ、経営者が目指すべき会社のあり方だと言えます。

この経営に対する姿勢を持ち、正しい経営戦略を立案実行することで、会社の存続と利益は保証されるのです。

我が社は何業か

「自社の事業分野を定義する」を簡潔に言い換えるとすると「我が社は何業か」です。

事業分野を定義するうえで大事なのは、顧客の求めているものを考え、それを提供できる存在になろうと努力することです。

この重要な「我が社は何業か」と事業分野を定義することは、永遠に効果があるわけではありません。一度、定義された事業は永遠に続くものではなく、陳腐化し、いずれ力を失ってしまいます。

たとえば、自動車産業です。「単一製品の車を大量生産し、低価格で提供する」と自社の事業を定義したフォードに対し、GM(ゼネラル・モーターズ)は、「顧客の生活や所得に応じた多様な車を提供する」と定義していました。

このGMの事業の背景には、車を単なる移動手段ではなく、車に多様なものを求める変化に対応していたと言われます。そして、多様な車を生産し販売するために、事業部制を導入し、それぞれの事業部でマーケットを特定し、そこで得られる成果に責任を持ち、事業を拡大していったのです。

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