80億円超の「億り人」、テスタ氏が勝ち続ける根拠 カリスマ個人投資家が考える引き際の条件

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――改めてなぜご自身が投資で成功したと思われますか。

投資が楽しい、と思えたからではないか。投資を始めた頃は、1日に300通ものブログを読んでいたが、それを苦労ではなく楽しいと思えた。勉強でもスポーツでも、楽しいと思えるから続けられるし、苦しいことにも耐えられる。

――投資はいつまで続けるのですか。投資家としての最終的なゴールは。

勝てる間はできるだけ続けたいとは思っているが、時代が変わる中で自分の相場観が通用しなくなり、やがて勝てなくなる日が来ると思っている。でも、どこまでいけるかはわからないが、引き際は自分で決めなければならない。私の場合、「2年連続でマイナス」か「ピークに対して40%減」のいずれかで、”退場”しようと決めている。

新NISAは「自分で何とかしろ」とのメッセージ

――一般的には躊躇して投資になかなか踏み切れない人も多い。何かアドバイスはありますか。

2024年から始まる新NISAによって、生涯の非課税投資額が1800万円まで広がる。これから投資は「踏み切る」ものでなく、「当たり前」のものになっていくだろう。

もっと踏み込んで言うと、かつて”老後2000万円問題”も社会問題化したように、新NISAは「1800万円までは自力で何とかしてください」という政府のメッセージだと思っている。将来への危機感をもって投資を勉強すべき時期に来ている。

一方で投資が広まらないのは、投資詐欺などが横行している影響が大きい。「月10%の配当」がありえない利率なのは、投資を勉強していればわかること。人のお金を預かって運用するには資格がいるなど、そういった最低限のリテラシーを世の中の人が身につけることで、投資詐欺は必然的に減っていくし、投資に対するイメージも変わっていくだろう。

堀尾 大悟 ライター

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ほりお だいご / Daigo Horio

慶応大学卒。埼玉県庁、民間企業を経て2020年より会社員兼業ライターとして活動を開始。2023年に独立。「マネー現代」「NewsPicks」「新・公民連携最前線」などで執筆。ブックライターとしても活動。

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