80億円超の「億り人」、テスタ氏が勝ち続ける根拠 カリスマ個人投資家が考える引き際の条件

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2005年から投資を始め、今日まで、年間では一度も負けたことがないテスタ氏(撮影:今井康一)
2024年1月からいよいよスタートする、新NISA(少額投資非課税制度)。そこでは投資ビギナーも数多く参加するとみられる。とはいえ、国内の家計金融資産2115兆円のうち、半分以上の52%は現預金というのが、日本の実態だ。個人にとっていまだ株などに投資する不安は大きい。
そうした中、専業投資家のテスタ氏は、リーマンショックより前の2005年から投資を始めて、今までの累計利益は80億円超。「カリスマ投資家」として、テレビやSNS、動画サイトなどでもひっぱりだこだ。そこには多くの投資家たちと違う、彼なりの原理原則があるに違いない。
10月16日(月)発売の週刊東洋経済10月21日号では「新NISA革命」を特集。テスタ氏への単独インタビューをはじめ、新NISAの仕組み、お薦めの投資信託や株まで、幅広く取り上げた。ぜひ手に取ってご覧いただきたい。

資産1億円が近づいてから大台を意識した

週刊東洋経済2023年10月21日号(10月16日月曜発売)の特集は『新NISA革命』。書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします。バックナンバー常備店はこちら

――そもそも専業投資家になるきっかけは何だったのですか。

高校を卒業後、自分一人で稼げるものはないか」と考えていた折、書店でデイトレードの本を見つけ、フリーターで貯めた300万円を元手に始めてみた。2005年でちょうどデイトレードという言葉が世に出始めた頃だ。それ以来、トレーダーのブログ記事を読みあさりながら、学んだことをデイトレードで実践していった。

7年目には資産が1億円を超えた。当時は「億り人」という言葉はなかったが、1億円が近づいてから大台として意識し、毎日資産を数えていた。

短期のデイトレードから中長期投資に軸足を移したのは2013年頃。アベノミクスの追い風もあって、1億円が一気に5億円になり、信用力が大きく増加した。そこまでの大金をデイトレードには回せないので、公募増資やIPO(新規株式公開)などにも投資対象を広げ、時間軸を少しずつ伸ばしていった。

――19年近く、年間でのマイナスが一度もありません。

投資家のタイプはさまざま。1銘柄に資産をすべてつぎ込むなど、大胆に勝負するタイプもいるが、私はリスクを取らず、小さくコツコツ積み上げて複利で運用するタイプ。19年近く一貫して、「負けないトレード」を目指してきた。今は累計利益で80億円くらいだ。

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