「リビア大洪水」国民が政府にブチギレている背景 湿原に加え、責任逃れの政治家に国際調査要求

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リビア国内の評論家やリビア情勢を細かく追っているアナリストによると、石油資源に恵まれたリビアの歴代政権は10年以上にわたって、国民のニーズへの対応を犠牲にして権力を争ってきた。そこには、決壊した古いダムのような老朽化インフラの維持管理を怠ってきたことも含まれる。

「集中すべきは何が起きたかの正確な把握であり、その上で誰が責任を負うべきかを決める」と、ローヤーズ・フォー・ジャスティス・イン・リビア(リビアの正義のための弁護士団)の代表、エルハム・サウジは語る。「しかし、リビア当局にそのようなことはできない。やる気もなければ、能力もないからだ」。

彼女の団体は、なぜリビアに国際的な調査が必要なのかを立証する資料集めを進めているところだという。

政府の災害対応は混乱を極め、死者数の全容は把握できていないが、1万1000人を超えるという推計もある。

「アラブの春」の蜂起を思わせる国民の団結

こうした死に対する怒りが、2011年のリビアにおける「アラブの春」の蜂起を彷彿とさせる形でリビア国民を団結させつつあるとサウジは言う。この蜂起は最終的に、独裁者として同国を長年支配したムアンマル・カダフィの失脚につながった。

「私たちは今が変革の瞬間だと感じている」とサウジ。「それがこの恐ろしい災害の遺産となればよいのだが」

しかし、北大西洋条約機構(NATO)主導の軍事介入に助けられた反体制派によるカダフィの放逐は、2011年に多くのリビア国民が望んでいた変革にはつながらず、10年以上にわたる紛争、国家機能不全、苦しみをもたらした。民兵組織が権力を握る中、政権が次々と成立し、ロシア、アラブ首長国連邦、トルコなどの外国勢力が深く関与した内戦によって国が二分された。

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