「リビア大洪水」国民が政府にブチギレている背景 湿原に加え、責任逃れの政治家に国際調査要求

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集中豪雨による大洪水で甚大な影響を受けたリビアでは、政府の対応に対して国民の不満が頂点に達している(写真:ロイター/アフロ)

集中豪雨で2つのダムが決壊し、数千人が死亡する大惨事が発生してから1週間、何百人というリビア国民が9月18日、壊滅的な被害を受けた東部の都市デルナで抗議デモを行い、責任者の罷免を要求した。

デモ参加者の中には、11日に近隣の一帯を住民ごと地中海に押し流した洪水によって市街地に運ばれた、ぬかるんだ岩だらけの地面に立つ人もいた。倒壊せずに残っているモスクの屋根の上に腰を下ろす人や、白い防護服と反射ベストに身を包んだ救援・救助活動の一員と思われる人たちもいた。

ダム崩壊は「運命」の発言にぶち切れる

「アギーラ、出て行け、出て行け」。デモ参加者からは、この災害を「運命」と呼んで責任逃れをしたリビア議会の議長、アギーラ・サレハを名指しする叫び声が上がった。14日夜のテレビ演説でサレハは、被害の規模が政府の不手際と怠慢に根ざしているという非難を拒否する姿勢を見せたが、これが多くのリビア国民の怒りを買ったのだ。

デモ参加者の叫び声は、北アフリカの分断されたこの国全体で指導者たちに責任を問う声が高まっていることの現れだった。彼らは具体的には、デルナの端にある2つのダムが決壊に至った経緯について国際的な調査を求めている。

リビア国民の多くは、誰に責任があるかを特定する点で、自国の当局は信用できないと言う。その当局は、首都トリポリを拠点とする西部の国際的に承認された政府と、デルナのある東部で別個に管理される地域に分かれている。サレハと議会はリビア東部政権の一部だ。

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