肝臓専門医が警鐘「疲れたら甘い物」摂る人の盲点 「脳に騙されない」スイーツの楽しみ方とは?

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さらに血糖値が急上昇すると、それを速やかに下げるため、インスリンの分泌量も過剰になって、今度は急激に血糖値を降下させます。すると血糖値が下がりすぎて低血糖になり、空腹感が湧き出し、また甘いものが欲しくなるという悪循環が起こるのです。

それだけではありません。低血糖状態では、疲労感が強くなったり、イライラが強くなったりもします。つまり、疲れをとるはずの甘いものが、再び疲れを呼び起こすのです。

こうして、「疲れたから」「がんばったから」とご褒美のスイーツを食べると、結局“疲れが増す”ことになるのです。

甘いものが疲労感を大きくする(出所:『肝臓から脂肪を落とす お酒と甘いものを一生楽しめる飲み方、食べ方』)

高糖質×高脂質の甘い加工食品が食欲を増幅

ひとくくりに甘いものといっても、さつまいもやかぼちゃのように食材そのものが甘みを持っているものと、加工された食品とで満足感が大きく異なることも示されています。

例えば、芋けんぴと焼き芋を比較してみましょう。

芋けんぴと焼き芋の比較(出所:『肝臓から脂肪を落とす お酒と甘いものを一生楽しめる飲み方、食べ方』)

同じ100gであっても、さつまいもを油で揚げて砂糖をまぶした芋けんぴのカロリーは、焼き芋の3倍以上。にもかかわらず、焼き芋なら100g分も食べればお腹が満たされるのに、芋けんぴでは100g分食べても満腹感を感じにくいのです。

さらに芋けんぴを食べている途中で塩味を挟めば、際限なく食べられることにも。同じ量でも高カロリーの芋けんぴをたくさん食べてしまうのは、脳が高糖質×高脂質の食品から快感を得て、もっと食べるように要求するためです。

砂糖と油の組み合わせに、脳が騙されてしまうのです。

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