日本人は「脂肪肝放置」の怖さを知らなさすぎる BMI25以上の肥満男性はほぼ100%脂肪肝だ

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挙げ句の果て、脂肪肝が進むと蓄えきれなくなった中性脂肪が糖として血液中に流れ出し、糖尿病をもっと悪化させてしまいます。つまり、延々と糖が代謝されず、しかも脂肪も増え続ける……という恐ろしい負のスパイラルに陥り、やせにくい体になってしまうのです。

(画像:『1週間で勝手に痩せていく体になるすごい方法』)

肥満、病気、体調不良…命をおびやかす万病のもとになる

脂肪肝を治すことは、あらゆる生活習慣病の予防に繋がります。なぜかというと、生活習慣病のほとんどが「血管病」だといえるからです。

脂肪肝になると、肝臓から中性脂肪が血液中にあふれ出し、血液は脂肪やコレステロールでドロドロになります。さらに血管の壁に中性脂肪がこびりついたり、血液中に増加した糖が血管を内側から傷つけたりして血管が傷んでしまいます。これがいわゆる動脈硬化で、この状態が進むと狭心症や脳梗塞といった重篤な病を引き起こします。

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また、認知症も生活習慣病の1つだといえます。最近の研究では、アルツハイマー型認知症は、脳の血流が悪化することで神経細胞が破壊されて発症するのがわかってきました。脳細胞が健康であるためには、栄養と酸素が含まれた新鮮な血液が必要です。

ところが、血液がドロドロの状態で、ポンプの役割を果たす血管が傷ついてこわばっていたら、体のてっぺんにある脳まで十分な血液を運ぶことができません。脳は血液不足となり、その結果、神経細胞が損傷されて認知症を発症するのです。

ほかにも、糖尿病や高血圧はもちろん、腎臓病、痛風、歯周病なども血管に由来する生活習慣病です。そして脂肪肝は血管病の一因。全て脂肪肝から繋がっているといえるでしょう。

栗原 毅 栗原クリニック東京・日本橋医院長

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くりはら たけし / Takeshi Kurihara

医学博士。北里大学医学部卒業。慶應義塾大学大学院特任教授、東京女子医科大学教授を歴任。2008年、メタボリックシンドロームや糖尿病などの生活習慣病の予防と治療を目的とした栗原クリニック東京・日本橋を開院。「血液サラサラ」の提唱者の1人でもある。主な著書・監修書に、『決定版!内臓脂肪を落とす名医のワザ』『ズボラでも中性脂肪・コレステロールは下げられる!』(ともに宝島社)、『栗原式 書いて下げる魔法の血圧手帳』(笠倉出版社)、『お茶のすごい健康長寿力 高血糖、高血圧、肥満、内臓脂肪から免疫力、認知症、不眠、イライラまで効く!』(主婦の友社)など多数
 

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