「未承認国家ソマリランド」潜入で見た超怖い現実 敏腕TVマンが「危険レベル4」入国を強行したら

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シャワーを浴び、一息つくと街に散策に出た。

ホテルのスタッフは英語が使え、街までの道のりを丁寧に教えてくれた。ホテルから中心部まで10分ほどかかる。

「襲われるような場所はない」かとチェックしながら歩いてみたが、大きな一本道で人も多い。特に危険はなさそうだ。

道中、様々な動物に遭遇したのが面白かった。街中にもかかわらず、コブ付き牛の集団、山羊、ロバなどが普通にいる。

市場ではイスラムの国では珍しく女性も働いている。

戒律の厳しいイスラム社会ではあるが、元々は遊牧民。2つの文化が合理的に融合しているように感じた。

未承認国家でアメックス!?

翌日、街の中心部にあるローカルの店で緑の豆のスープと揚げパンを食べると値段が1ドルを切っていたので、ソマリランドシリングでお釣りを貰った。

ソマリランドは国際社会では「未承認の独立国家」なのに独自通貨がある。しかし、国の通貨は信用がないようで、ハイパーインフレが起きていた。

1ドルは1万シリング(2018年当時のレート)。両替商はお金を路上でバナナの叩き売りのように売っている。小さな段ボール4箱分位のお金が道路に無造作に積み上げられていた。

街を歩くと、あちらこちらにそのような人がいて、誰かに見張ってもらいお金を置きっぱなしにしたまま食事に出かける両替商もいた。

路上に置かれた誰からも盗まれない大金。なかなかシュールな光景だ。

500ドルも出せば、中学生向けの自己啓発雑誌にあるような、お風呂をお札で埋め、「俺は億万長者だ。地位と名誉と最高の女を手に入れた」という例のヤツが出来そうだ。

そんな経済状況なので、USドル・ユーロ・エチオピアブル・南アフリカドルが一般的に流通していた。

ビックリしたのはアメリカ・ニューヨークに本社があるアメリカンエキスプレスのクレジットカードが使えることだ。

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