世界の株式といっても、どの地域のどの国が含まれているのでしょうか。ここでは世界株式インデックス「MSCI ACWI(オール・カントリー・ワールド・インデックス)」を例に説明します。
資産形成なら世界を対象にするインデックスファンド1本でOK
対象となる国は大きく分けて、先進国23カ国と新興国24カ国です。それぞれアメリカ、欧州&中東、太平洋/アジアという3つの地域にわかれ、つぎの表にある国が対象です。各国の取引所に上場されている株式のうち、時価総額の大きなほうから約85%が含まれています。つまり、上場企業のうち小さな企業15%は対象外です。
日本の企業は世界全体の5.5%で、日本を除く先進国22カ国が83.6%、そのうち米国だけで60.6%です。また、中国、インド、ブラジルなどの新興国24カ国は合計で10.9%となっています(2023年3月末時点)。
世界株式インデックスファンドと米国株式インデックスファンドではどちらがいいか? という議論があります。これを確認すると、世界全体のうち約6割が米国です。米国のみに投資するか、その他46カ国の残り約4割もいっしょに投資するか、という違いになるのです。筆者はリスク分散の観点から、米国への集中投資よりも世界全体に投資するほうが、資産形成では適切だと考えています。
長期の資産形成では「ほったらかし」がいいワケ
資産形成での投資なら「ほったらかしでいい」などといわれると、本当に大丈夫なのか? と心配になるかもしれません。しかし、「ほったらかしのほうが、むしろいい結果になる」という、米国ダルバー社による興味深い調査結果があるのでご紹介します。
つぎのグラフは2013年までの30年間、株式と債券のそれぞれのインデックスと、それぞれの投資信託の個人投資家全体のリターン(年率)を比較したものです。株式インデックスのリターン11.11%に対して、株式投資信託の投資家は3.69%と、7.42%も低くなっています。また、債券インデックスのリターン7.67%に対して、債券投資信託の投資家は0.70%と、6.97%も低くなっています。
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