「ヤリス/フィット」新車購入者の決定的な違い 発売から3年が経過して見えてきた購入者像
まず全体の傾向を説明するために、新車購入者全体の結果を紹介する。
新車購入者全体では「高関心」が32%と最も多く、次いで「日常の足」が19%、そして「運転好き」「快適・利便性重視」「人気車種で安心したい」「こだわり」が1割強ずつと少数派となっている。
続いてフィットを見てみると、「日常の足」が多い点が特徴的だ。新車購入者全体では19%程度、競合のヤリスは26%である中、フィットはおよそ3人に1人が「日常の足」と答えた。「クルマに対するニーズ(重視点)」として、日々の生活の中で活躍してほしい人が多く購入していることがわかる。
また、「快適・利便性重視」の割合も、フィットはヤリスより高い。Car-kit®内の「購入したクルマの気に入った点」の設問では、「乗り心地の良さ」「室内の広さ」「実用上の使い勝手の良さ」が高評価となっており、このことからも「快適・利便性重視」が多いのは、フィットの強い特徴の1つであるようだ。
一方のヤリスは、フィットより「運転好き」「高関心」「人気車種で安心したい」が少しずつ多くなっていて、「快適・利便性重視」が少ない。世界ラリー選手権(WRC)と結びついたイメージや、トヨタ販売店の地盤の強さなどから、このような結果になっていると考えられる。
ちなみにヤリスクロスでは「高関心」が、ノートでは「高関心」「人気車種で安心したい」が高く出ている。
ヤリスクロスは、そもそもコンパクトSUVである部分に関心を寄せられる車種であり、先ほど見た「最後まで悩み比較した車種」の分布の通り、「ライズ」や「カローラクロス」といったコンパクトSUVと比較して購入している人も多いため、文字通り「高関心」であることがうなずける。
モデルライフ後半の“どんでん返し“はあるか?
今回は、フルモデルチェンジから3年が経過した、ヤリスとフィットの購入者分析を行った。ヤリスもフィットも、市場に訴求したい強みやメッセージが購入者にしっかり届いていることが明らかになったといえる。
ヤリスにはSUVのヤリスクロスという頼もしい相方がいるため、ヴィッツ時代よりもキャラクターがはっきりした印象だ。
どちらもモデルライフ中盤を迎え、これからマイナーチェンジを実施するタイミングがくるだろう。フィットが巻き返しを図れるのか、それともヤリスの堅調が続くのか。納期遅延も解消してくるであろうこれから、どんな展開になるのか楽しみである。
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