「ヤリス/フィット」新車購入者の決定的な違い 発売から3年が経過して見えてきた購入者像

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ここまではそれぞれで異なる結果が出ていたが、「決定のこだわり度」は興味深いことにヤリスとフィットで大きな差はない。「ぜひこの車種に」と回答した人はヤリス、フィットともに36%である。比較としてヤリスクロスとノートも見てみると、ヤリスクロスは48%、ノートも42%と高かった。

ヤリスをベースにSUVに仕上げられたヤリスクロス(写真:トヨタ自動車)
ヤリスをベースにSUVに仕上げられたヤリスクロス(写真:トヨタ自動車)

ヤリスもフィットも「車種そのものへの魅力」や「こだわり度」に大きな差はなくても、比較車種の顔ぶれが大きく異なる。この結果は、メーカーであるトヨタとホンダそれぞれのブランド力や販売力、そしてラインナップの豊富さに差があることが影響しているだろう。

では、目線を変えて各車に「あてはまるイメージ」を見てみよう。こちらはヤリスを購入した人はヤリスについて、フィットを購入した人はフィットについてのイメージを回答した結果である。

ヤリスの大きな特徴は、どこかに特化しているわけではない、幅広いイメージを獲得していることにある。「スポーティ」はコンパクトカーとしては高めだが、それ以外の項目は特に高いわけでも低いわけでもない。多くの人に受け入れられ購入されているため、多様なイメージを抱かれているようだ。

フィットはその外観からもイメージできるように「スポーティ」が少なく、「カジュアル」「親しみやすい」「実用的」「シンプル」のスコアが高い。フィットにはスポーティなグレード「RS」があるが、それよりも「HOME」や「CROSSTAR」のイメージが強いのだろう。

車高をアップし、SUV風のスタイルとしたフィットCROSSTAR(写真:本田技研工業)
車高をアップし、SUV風のスタイルとしたフィットCROSSTAR(写真:本田技研工業)

ノートは「先進的」のスコアがとても高いが、これは日産が「e-POWER」を押し出し、ハイブリッド専用車としているためだと推測できる。

クルマに対するニーズを6つに分類

最後に、「クルマに対するニーズ(重視点)」の観点から分析を深めていく。

使用するデータは、インテージが2023年に全国の新車購入者5000人(直近1年間購入)を対象に行った調査結果だ。クルマを購入・検討する際の重視点を全60項目で聴取し、購入者をそれぞれ6つのセグメントにわけている。

各セグメントの名称は、60項目への回答傾向の特徴から命名。6セグメントの構成比の大小を車種別に確認することで、「どのような特性を持つ人に買い支えられているのか」を明らかにするものだ。

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