院長不在が長期化、無医地区続出の恐れ、被災地が抱える医療問題

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自治体合併で住民の意見が届きにくくなった

加えて、橋浦診療所でも、4月下旬以降「院長不在」が続いている。二十数年来、診療に従事してきた院長が脳梗塞で倒れ、入院を余儀なくされているためだ。床上浸水の被害を受けた橋浦診療所は5月6日から診療を再開したものの、数日単位で交代する医療支援チームの医師による診療で急場をしのいでいる。

また橋浦診療所は、人口約3900人の北上地区で唯一の医療機関。その院長不在の診療所に雄勝地区住民の医療をも委ねることができるとは、想像しにくい。

石巻市は、地域医療の再構築をどのように考えているのか。市が「最優先課題」に挙げているのが、津波被害で使用不能になった石巻市立病院(病床数206床)の再建だ。

5月3日の市議会保健福祉委員会で伊勢秀雄病院局長が示した「私案」によれば、病床数100~百数十床の仮設病院を市内の被災しなかった地区に、国の財源によって年内をメドに建設する。そこに雄勝病院の療養型の機能も持たせるとしている。

こうした市病院局の考えと、雄勝地区関係者が求める医療再建の考え方は必ずしも一致していない。加えて、市立病院の新たな再建については、石巻地域の高次医療(3次救急)を担う石巻赤十字病院(病床数392床)の関係者からも疑問の声が上がっている。というのも、石巻市立病院は病床利用率が低く、多額の財政資金が投じられてきたためだ。

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