院長不在が長期化、無医地区続出の恐れ、被災地が抱える医療問題


 現在でこそ、全国から集まった日本赤十字社の医療チームが雄勝地区内の避難所や高齢者宅などを巡回し、簡単な診察や医薬品提供、安否確認を行っているものの、いつまでもこうした態勢が続く保証はない。

「仮設の診療所もないまま、医療チームが引き揚げたらどうなってしまうのか。住民の不安は大きい」と雄勝病院の看護師も指摘する。

こうした問題について、石巻市はどう考えているのか。前出の鷲見次長は「北上地区とはトンネル一つで近接している。両地区をつなぎ合わせることは可能だ」と説明する。だが、両地区を結ぶ新北上大橋は津波で落ちており通行不能。北上地区の橋浦診療所にたどり着くには、津波による被害を受けた土手の砂利道を通り、上流の飯野川橋を経由して15キロメートル近くも迂回しなければならない。そもそも、両地区の間を結ぶ公共交通機関は存在しない。


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