院長不在が長期化、無医地区続出の恐れ、被災地が抱える医療問題

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 地区住民の森谷喜三さん(79)は震災前、1カ月に1度、本吉病院に通院していた。血圧が高いうえ、ぜんそくや前立腺肥大を患う喜三さんにとって、本吉病院は不可欠な存在。「病院がなくなったらたいへんなことになる」と妻のとし子さんは心配する。とし子さんも震災前、JR気仙沼線で市中心部の気仙沼市立病院に通院していたが、津波による被害で気仙沼線は不通に。現在も運行再開のメドはまったく立っておらず、通院の手段を失った。

本吉地区の認知症対応グループホーム「リアスの杜」職員の熊谷微笑香さん(38)にとっても、本吉病院の存続は切実な問題だ。「容態が急変した高齢の入居者を、車で30分もかかる気仙沼市立病院まで連れて行くのは大変。本吉病院の入院機能を回復してほしい」と熊谷さんは話す。

石巻市雄勝地区では医療機関が消滅

東日本大震災では、多くの病院や診療所が甚大な被害を受けた。岩手県立高田病院(岩手県陸前高田市)や公立志津川病院(宮城県南三陸町)、石巻市立病院(宮城県石巻市)などは津波による被害が大きく、診療機能停止に追い込まれた。石巻市立雄勝病院(石巻市)では、入院患者40人全員が死亡または行方不明。院長、副院長、薬剤科部長ら多くの職員が死亡する惨事に見舞われた。

その後、診療機能を失った病院が所在する地域の一部では、「無医地区」と化す懸念が強まっている。

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