まるで米国のパシリ、「日本の外交」劣化の行く末 G20中の林外相がウクライナ訪問の隠れた意味
インドでG20首脳会議が行われている最中の9月9日、林外相がウクライナを初訪問した。日本政府のウクライナ政府への支持を確認したという以外に特に目新しいものは見当たらないが、そもそも外交的にどのような意義がある訪問だったのか、あえて検討してみたい。
G20のタイミングで訪問したワケ
まずはそのタイミングだ。G20首脳会議がインドで開催されている中で行われた訪問だった。岸田首相のG20参加と同時期に林外相が中東と東欧を歴訪しており、外交の観点から非常に積極的である。確かに国会閉会中の9月は外交日程をこなすにはいいタイミングである。これから国連総会も始まる。
しかし、あえてこのタイミングでウクライナを訪問したのは、それ以外に外交的に重要な意味がある。それは、G20サミットにウクライナが招待されなかったことに関係している。
日本が議長国を務めるG7サミットにはゼレンスキー大統領が電撃的に現れて話題となったのに対して、G20議長国のインドはウクライナを招待しなかった。G20は、ロシアや中国のほか、ブラジルや南アフリカ、トルコなど、ウクライナ侵攻に関して中立的な国々がメンバー国となっており、西側色の強いG7とは色合いが異なっている。
G7での議論では、ウクライナ支援を強化するためにグローバルサウスを取り込むことが重要だと言われてきたわけだが、まさにグローバルサウスが集合しているのが、このG20なのだ。
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