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中国不動産バブル崩壊が深刻化する「5つの理由」 中国経済が短期で回復すると見るのは間違いだ

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  • 小幡 績 慶応義塾大学大学院教授
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第5に、日本の住宅バブルは、実は崩壊しなかった。なぜなら、ほとんどの日本人サラリーマンは真面目であるから、大半は日常の住居用の自宅をローンで購入しただけであり、投資用物件に手を出したのはごく少数だった。あるいは都市部の兼業農家などが土地を売ったりアパート経営をしたりという部分だけだった。

したがって、バブルが崩壊しても、誰も投げ売りをせず、異常な高値で買ってしまった自宅のローンを、小遣いを減らして、せっせと忍耐強く返し続けた。

だから、日本の個人消費は大きく収縮し、コスパがすべてとなった。中国では、これと比べ物にならないほど悲惨なものとなるであろう。なぜなら、個人の住宅購入額の半分以上は投資物件だからである。誰も住まない。せっせとローンを返す必要はないかもしれないが(ローンの割合が低いから)、逆に無理して払ってしまった金は戻ってこない。より悪い。今後、ぜいたく消費は激減するだろう。

バブル崩壊長期化でも、中国の未来技術は飛躍的に発展

このように見てくると、中国不動産バブル崩壊は、実体経済にも長期的も、大きな悪影響を与えるであろうと私は考える。

一方、最新技術への投資、EV(電気自動車)、電池、AI(人工知能)などへの投資、人材、研究開発においては、中国はアメリカと一騎打ちの体勢となるぐらい行われているから、将来への芽、投資は衰えていないどころか、加速している。

したがって、不動産バブルの影響は今思われているよりもはるかに大きいが、同時に、中国の未来の技術、経済、企業も、今思われているよりも飛躍的に伸びるであろうと私は考えている。長くなったので、また続きはどこかで議論したい(本編はここで終了です。この後は筆者が週末の競馬レースを予想するコーナーです。あらかじめご了くだ下さい)。

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