だが、現在の文脈は、中国経済が不動産バブル崩壊から長期経済低迷に至る可能性を指して使われている。つまり、日本では1980年代のバブルが1990年代に崩壊し、失われた10年、20年、30年と揶揄されるような長期経済の停滞に陥ったが、中国もこの後追いになるのではないか、という議論である。
「1990年以降の日本」との「6つの類似点」とは?
「日本化」と言われている理由を整理すると、現在の中国経済と1990年代以降の日本経済が、以下の4点について類似しているから、ということらしい。さらに言えば、私は5と6も似ていると思っている。
1:未曽有の不動産バブルが崩壊し、土地神話が崩れた
2:それと時を同じくして、高成長経済、世界的に群を抜いた成長経済が止まった
3:構造的に少子化問題が生じ、人口が減少に転じた
4:市場メカニズムではなく独自の変形資本主義経済が蔓延、債務整理が進みにくい
5:アメリカと貿易摩擦、経済摩擦がある
6:貯蓄率が高く、自国で資本を賄っており、銀行整理を急ぐ必要がない
だから「中国も不動産バブル崩壊で長期停滞に入る」という巷のストーリーが盛り上がっているのだが、これに対し、アメリカを中心としたまともなエコノミストたちの判断は「類似点もあるが、本質的に当時の日本と今の中国は大きく異なる」という。
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